「書類の名前が長すぎて何が書いてあるのかすら分からない」
「1枚の紙の中に、基礎控除、配偶者控除、定額減税、所得金額調整控除と4つも申告書が詰め込まれていて大混乱……」
年末調整で会社から渡される書類の中で、最も難解で、最もレイアウトが複雑怪奇なのが、この「兼用申告書(けんようしんこくしょ)」です。
正式名称は『給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税申告書 兼 所得金額調整控除申告書』。あまりに長すぎる名前と、まるで迷路のような判定チャート・計算表のせいで、「毎年どこに何を書けばいいのか分からずパニックになる」という悲鳴が全国のオフィスで響き渡っています。
なお、この用紙の名前に含まれる「年末調整に係る定額減税申告書」の部分は、令和6年分(2024年分)の所得税に限って実施された時限的な定額減税に対応するために追加された欄です。恒久的な制度ではないため、詳しい位置づけは「4. ゾーン③」で改めて触れます。
しかし、安心してください。この用紙の正体は、本来は別々だった4つの申告書を、紙の節約のために1枚のA4用紙に無理やりギュッと合体させたものに過ぎません。
用紙の「4大ゾーンの境界線」を正しく見極め、自分の状況に応じたブロックだけを順番に攻略していけば、誰でも5分で迷わず完璧に書き上げることができます。
この記事では、兼用申告書の全体構造マップから、各ゾーン(基礎・配偶者・定額減税・所得金額調整)の具体的な書き方、判定マトリクス表の交差計算のコツ、そして世帯別の模範記入例まで、分かりやすく整理しました。あわせて国税庁タックスアンサーの一次情報と、実際の総務窓口でよく起きているやり取りも交えて解説します。
1. なぜ1枚に合体したのか?兼用用紙の「4大ゾーン」完全マップ

まず、この複雑な1枚の紙がどのように分割されているのか、「4つのブロック(ゾーン)」の位置関係を把握しましょう。「なぜ1枚に4つも申告書が同居しているのか」という疑問への答えは単純で、内容が別々でも記入者(あなた)と提出先(会社の総務)が共通しているため、国税庁が用紙を一本化して事務負担を減らしているからです。中身は4本の独立した申告書のままなので、自分に関係のないゾーンは読み飛ばしてしまって構いません。
【給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税申告書 兼 …】
| 【最上部】あなたの氏名、現住所、給与支払者(会社)の名称・所在地 | |
|---|---|
| 【左上:ゾーン①】 給与所得者の基礎控除申告書 ->「全社員が記入必須」 ・あなたの年収・所得の見積額 ・基礎控除額(通常48万円) | 【右上:ゾーン②】 給与所得者の配偶者控除等申告書 -> 配偶者を扶養に入れたい人のみ ・配偶者の年収・所得の見積額 ・控除額の判定マトリクス(最大38万 |
| 【左下:ゾーン③】 年末調整に係る定額減税申告書 -> 定額減税を受ける全社員 ・本人および同一生計配偶者の確認 | 【右下:ゾーン④】 所得金額調整控除申告書 ->「年収850万円超」で 23歳未満の子がいる人や 特別障害者世帯のみ記入 |
あなたが書くべきゾーンはどこ?即座にわかる診断チャート
- 独身・扶養なし・年収850万以下 -> ゾーン①+ゾーン③だけ書けば完了(右半分はすべて完全空欄)
- 既婚(配偶者あり)・年収850万以下 -> ゾーン①+ゾーン②+ゾーン③を記入
- 年収850万円超で高校生・大学生の子どもがいる -> ゾーン①+ゾーン③+ゾーン④を記入
「どのゾーンが自分に関係あるのか分からない」という不安は、突き詰めればこの3パターンのどれに当てはまるかだけの話です。逆に言えば、上のどれにも当てはまらない欄は、白紙のまま提出して問題ありません。空欄を埋めなければと無理に何か書き込んでしまう方が、後から総務に確認の連絡が来て手間になります。
【現場のリアル】新人社員が用紙を渡された瞬間に固まる話
ある中堅企業の人事担当者から聞いた話ですが、入社2年目までの若手社員にこの兼用申告書を配ると、まず高い確率で「これ、何枚あるうちの1枚ですか」と聞かれるそうです。正式名称を読み上げただけで「基礎控除…配偶者控除…定額減税…所得金額調整控除…」と4つの単語が連続して出てくるため、独身で配偶者も子どももいない新人であっても、右半分にまで目を通してしまい、判定マトリクスの表を見た瞬間に手が止まってしまうといいます。
実際には、その新人が書くべきなのは左上のゾーン①と左下のゾーン③だけで、右半分は完全に無関係だったというオチが毎年のように繰り返されているそうです。総務担当者いわく、配布のタイミングで「独身の人は右半分は見なくていいですよ」と一言添えるだけで、質問の件数が体感で半分近くまで減るとのことでした。書類そのものよりも、どこを見ればいいかという「地図」がないまま渡されることの方が、実は最大の混乱要因になっているようです。
2. ゾーン①「給与所得者の基礎控除申告書」の書き方(全社員必須)
用紙の左上にあるエリアです。納税者全員が受けられる基礎控除(最大48万円)を申告するため、すべての会社員が必ず記入しなければなりません。
### あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算
- (1) 給与所得
・収入金額:[ 5,000,000 ]円(1年間の額面給与+賞与の見積合計)
・所得金額:[ 3,460,000 ]円(裏面の計算表で求めた金額)
- (2) 給与所得以外の所得の合計額
・種目:[ 雑所得(副業) ] ・所得金額:[ 100,000 ]円
- (※副業がない人は空欄でOK)
- (3) 本年中の合計所得金額の見積額 = (1) + (2)
・合計金額:[ 3,560,000 ]円
控除額の計算判定ステップ
計算した「(3) 合計所得金額の見積額」をもとに、すぐ下の判定表にチェックを入れます。
| あなたの合計所得金額の見積額 | 判定の区分 | 基礎控除の額(用紙に書く数字) |
|---|---|---|
| 900万円以下(年収1,095万円以下) | A | 480,000円(満額) |
| 900万超 〜 950万円以下 | B | 320,000円 |
| 950万超 〜 1,000万円以下 | C | 160,000円 |
| 1,000万円超(年収1,195万円超) | 対象外 | 0円(控除なし) |
一般の会社員の95%以上は年収1,095万円以下(合計所得900万円以下)ですので、判定「A」にチェックを入れ、基礎控除の額に「480,000」と記入すれば完了です。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1199 基礎控除」では、次のように説明されています。
『確定申告や年末調整において所得税額の計算をする場合に、総所得金額等から差し引くことができる控除の一つに基礎控除があります。基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じてそれぞれ異なる金額が定められています』
出典:国税庁 タックスアンサー No.1199「基礎控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm
以前は所得金額にかかわらず一律38万円が自動的に引かれる仕組みでしたが、税制改正によって高所得者への上限が設けられ、なおかつ本人からの申告が必須になりました。上の表で「対象外」に該当する高所得層以外は、まず慌てず「A」にチェックを入れる、とだけ覚えておけば大半のケースは片付きます。
3. ゾーン②「給与所得者の配偶者控除等申告書」の書き方(配偶者がいる人のみ)

用紙の右上にあるエリアです。妻(夫)の年収が201.6万円未満で、配偶者控除または配偶者特別控除を受けたい人だけが記入します。
ステップ1:配偶者の情報を記入
配偶者の氏名(フリガナ)、あなたとの続柄(「妻」または「夫」)、生年月日、住所を記入します。
ステップ2:配偶者の所得見積額を計算
配偶者の今年1年間の給与収入(パート・アルバイト代)から、給与所得控除(最低55万円)を引いた所得金額を計算します。
- 配偶者のパート年収が100万円の場合 -> 所得金額は「100万 − 55万 = 45万円」
- 配偶者のパート年収が140万円の場合 -> 所得金額は「140万 − 55万 = 85万円」
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1191 配偶者控除」では、控除対象配偶者となる要件について、次のように説明されています。
『控除対象配偶者となる人の要件は、民法の規定による配偶者であること、納税者と生計を一にしていること、年間の合計所得金額が一定額以下であること、青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと、の四つをすべて満たすことです。なお、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません』
出典:国税庁 タックスアンサー No.1191「配偶者控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm
上の四要件のうち、記入時に迷いやすいのは「生計を一にしていること」の部分です。同居していなくても、単身赴任中に生活費を仕送りしているなど実質的に家計が一つであれば該当します。逆に、住民票上は同居でも財布が完全に別であれば該当しないため、迷った場合は総務や税理士に事実関係を伝えて確認するのが確実です。
ステップ3:配偶者の判定区分をチェック
配偶者の合計所得金額に応じて、判定表(①〜④)にチェックを入れます。
- 48万円以下(年収103万以下)かつ70歳未満 -> 判定:②(配偶者控除)
- 48万円以下(年収103万以下)かつ70歳以上 -> 判定:①(老人配偶者控除)
- 48万超 〜 95万円以下(年収103万超〜150万以下) -> 判定:③(配偶者特別控除・満額)
- 95万超 〜 133万円以下(年収150万超〜201.6万以下) -> 判定:④(配偶者特別控除・減額)
ステップ4:マトリクス表の「交差計算」で控除額を確定
あなたの判定区分(A〜C)と、配偶者の判定区分(①〜④)が交差する枠の金額を、一番下の「配偶者控除の額」または「配偶者特別控除の額」に記入します。
【控除額の決定マトリクス(本人が判定Aの場合の例)】
・あなた[判定A] × 妻[判定②(年収103万以下)] ->「配偶者控除の額:380,000円」
・あなた[判定A] × 妻[判定③(年収150万以下)] ->「配偶者特別控除の額:380,000円」
・あなた[判定A] × 妻[判定④(年収160万・所得105万)] ->「配偶者特別控除の額:310,000円」
【現場のリアル】交差計算を縦横逆に読んで再提出になった話
経理代行を請け負っている担当者からよく聞くのが、このマトリクス表の「縦の行」と「横の列」を取り違えて記入してしまうケースです。表自体は縦軸に本人の判定(A〜C)、横軸に配偶者の判定(①〜④)が並んでいるだけの単純な仕組みなのですが、細かい枠がびっしり並んでいるのを見ると、つい一段ずれた行を指でなぞってしまい、本来38万円のところを36万円や31万円で書いてしまう社員が一定数いるそうです。
とりわけ多いのが、配偶者の年収を103万円ちょうどだと思い込んで判定②を選んだものの、実際には賞与を含めると106万円になっていて判定③が正しかった、というパターンです。総務からの指摘で気づいて書き直すだけなら数分の作業ですが、これが年末調整の締め切り直前に発覚すると、給与担当者が慌てて全員分の再計算をやり直す羽目になり、担当者の胃が痛くなる時期でもあると笑いながら話していました。配偶者の年収は「12月時点の見込み」で書く欄なので、ボーナスや年末の勤務シフトまで含めて一度計算し直してから記入すると、この手戻りはかなり防げます。
4. ゾーン③「年末調整に係る定額減税申告書」の書き方
用紙の左下にあるエリアです。令和6年(2024年分)に導入された「所得税3万円・住民税1万円(合計4万円)」の定額減税を精算するための欄です。
ここで改めて明確にしておきたいのは、この定額減税が令和6年分の所得税に限って実施された時限的な措置だということです。恒久的に続く控除ではないため、この欄への記入が発生するのは令和6年分の年末調整だけであり、それ以降の年分では「年末調整に係る定額減税申告書」の部分自体が用紙から姿を消す想定になっています。過去の年末調整の記憶や他の年の書類と見比べて「去年はこんな欄なかったのに」と感じた方がいれば、それはこの制度が令和6年限定だったことが理由です。
### 年末調整に係る定額減税申告書
- [ あなた本人に関する事項 ]
- あなたの本年中の合計所得金額が1,805万円以下(年収2,000万円以下)
- である場合、自動的に減税対象となります。
- [ 配偶者に関する事項 ]
- 同一生計配偶者(配偶者の合計所得金額が48万円以下=年収103万円以下)
- がいる場合は、チェックを入れます。
- >「チェックあり」-> 配偶者分の定額減税(3万円+1万円)もあなたに加算」
- あなた本人の年収が2,000万円以下(所得1,805万円以下)であれば、本人分の3万円が自動減税されます。
- 妻(夫)の年収が103万円以下(所得48万円以下)であれば、「同一生計配偶者」に該当するため、妻の分の定額減税枠(所得税3万円+住民税1万円)も夫側の年末調整に合算して減税されます。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「定額減税関係(源泉所得税関係)」のページでは、年末調整に係る定額減税のための申告書をはじめとする各種様式・記載例が案内されており、給与の支払者は年末調整の際、その年最後に支払う給与について、定額減税前の税額と定額減税後の税額とを比較して精算する事務(年調減税事務)を行うこととされています。これは令和6年分の所得税に限定して実施された措置です。
出典:国税庁「定額減税関係(源泉所得税関係)」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/teigaku/index.htm
5. ゾーン④「所得金額調整控除申告書」の書き方(年収850万円超のみ)

用紙の右下にあるエリアです。年収850万円以下の一般会社員は、完全に真っ白な空欄のまま提出します。
対象となる条件(以下のいずれかに該当する年収850万円超の世帯)
- 本人が特別障害者である場合
- 同一生計配偶者が特別障害者である場合
- 扶養親族が特別障害者である場合
- 23歳未満の扶養親族(子どもなど)がいる場合
年収850万円を超える高所得世帯は給与所得控除が頭打ち(一律195万円)になりましたが、子育て世帯や介護世帯に重い増税負担がかからないよう、最大15万円を所得から差し引いてくれるセーフティネット制度です。該当する要件にチェックを入れ、扶養親族の氏名と生年月日を記入します。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1411 所得金額調整控除」では、次のように説明されています。
『その年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者で、本人が特別障害者に該当する者、年齢23歳未満の扶養親族を有する者、または特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する者のいずれかに該当する場合、所得金額調整控除の額は、給与等の収入金額(1,000万円を超える場合には1,000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額です』
出典:国税庁 タックスアンサー No.1411「所得金額調整控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1411.htm
【現場のリアル】書き忘れて数万円を毎年損していた社員の話
給与計算を委託で請け負っている担当者から聞いた話で、年収900万円前後の管理職層に多いのが、この所得金額調整控除の欄をまるごと存在しないもののように扱ってしまうケースだそうです。理由は単純で、右下のゾーンまで目が届く前に、左上の基礎控除欄で「対象外に近いから面倒くさそうだ」と気力を使い果たしてしまい、一番奥にある欄まで読まずに提出してしまうためです。
その担当者が実際に確認した例では、23歳未満の大学生の子どもがいる年収950万円の社員が、3年連続でこの欄を空欄のまま提出していたことがありました。本来であれば年収から850万円を引いた100万円の10パーセント、つまり10万円が所得から差し引かれるはずが未申告のままだったため、あとで気づいて還付を受けるための手続きに追われる羽目になったといいます。年収850万円という数字だけを見て「自分は関係ない」と思い込まず、扶養している子どもの年齢まで一度確認してから空欄にするかどうかを判断すると、こうした申告漏れは防げます。
6. 【世帯タイプ別】兼用申告書の模範記入例4パターン
【パターン1:20代独身・年収400万円】
・ゾーン①(基礎):収入400万、所得276万、判定A、控除額480,000円
・ゾーン②(配偶者):完全空欄
・ゾーン③(定額減税):本人分のみ適用
・ゾーン④(所得金額調整):完全空欄
【パターン2:30代片働き夫婦・夫年収600万円・妻専業主婦(年収0円)】
・ゾーン①(基礎):収入600万、所得436万、判定A、控除額480,000円
・ゾーン②(配偶者):妻所得0円、判定②、配偶者控除額380,000円
・ゾーン③(定額減税):本人+同一生計配偶者にチェック(夫婦計6万円減税)
・ゾーン④(所得金額調整):完全空欄
【パターン3:40代共働き夫婦・夫年収700万・妻パート年収140万円】
・ゾーン①(基礎):収入700万、所得510万、判定A、控除額480,000円
・ゾーン②(配偶者):妻年収140万、所得85万、判定③、配偶者特別控除額380,000円
・ゾーン③(定額減税):本人分のみ適用(※妻はパート先で自身で減税)
・ゾーン④(所得金額調整):完全空欄
【パターン4:50代会社員・年収1,000万円・大学生の子(20歳)あり】
・ゾーン①(基礎):収入1,000万、所得805万、判定A、控除額480,000円
・ゾーン②(配偶者):配偶者所得に応じて記入
・ゾーン③(定額減税):本人分適用
・ゾーン④(所得金額調整):要件「23歳未満の扶養親族あり」にチェック、子どもの氏名を記入(控除額150,000円適用)
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 「基礎控除申告書」の提出を忘れるとどうなりますか?
基礎控除(48万円)が適用されず、約5万〜10万円以上の大増税になってしまいます。以前は会社が自動で基礎控除を引いてくれましたが、税制改正により申告書の提出が法律上の義務となりました。提出しないと基礎控除0円として税金が引かれて手取りが激減するため、全社員が必ず提出しなければなりません。
Q2. 妻のパート年収が103万円を少し超えて105万円になりそうです。どの欄に書けばいいですか?
「配偶者控除」ではなく、「配偶者特別控除(判定③)」の欄に記入します。所得金額は「105万 − 55万 = 50万円」となりますが、本人の年収が1,095万円以下であれば、配偶者特別控除でも満額の38万円控除がそのまま受けられますので安心してください。
Q3. 裏面の計算表にある「所得金額調整控除」の計算式が難しくてわかりません。
年収850万円以下の方は、裏面のその計算式を見る必要は一切ありません。年収850万円を超える方のみ、「(年収 − 850万円) × 10%」で控除額を計算して記入します。
Q4. 去年の書類にはあった「定額減税」の欄が、今年は見当たりません。書類が間違っているのでしょうか。
書類の誤りではありません。定額減税は令和6年分の所得税に限って実施された時限的な措置ですので、それ以降の年分の年末調整では、この欄自体が用紙から外れます。「去年書いた欄がない」と感じたら、まずは制度そのものが1年限りだったことを思い出してみてください。
まとめ:兼用申告書はゾーンごとに切り分ければ超簡単
- 1枚の紙に4つの申告書が同居しているが、独身なら左上の「基礎控除」だけで完了する。
- 配偶者を扶養に入れたい時だけ、右上の「配偶者控除」を記入する。
- 定額減税欄は令和6年分限りの措置で、妻の年収が103万円以下ならチェックを入れて夫婦で減税を受ける。
- 右下の「所得金額調整控除」は年収850万円超の子育て・特別障害者世帯以外は空欄でよい。
判定マトリクスの計算が合っているか不安な方、手書きで数字を転記するのが面倒だという方は、スマホで年収を入れるだけで兼用申告書を1秒で自動生成できる「書けた年末調整」をご利用ください。