- 1. そもそもなぜ11月に「1年間の所得の見積額」を書かされるのか
- 2. 12月の給与・冬ボーナスが未確定なときの「3大見積もり計算テクニック」
- 3. 「収入の見積額」から「所得の見積額」を出す計算早見表
- 4. 見積もりが実際の年収とズレたらどうなる?会社の「自動再計算」の仕組み
- 5. 【要注意】見積もりのズレで「控除の判定ライン」を跨ぐ場合の危険と対策
- 6. 変動給・インセンティブが多い人のための「年収予測ワークシート」
- 7. 副業やその他の収入がある場合の「見積額合算ルール」
- 8. 年末調整用紙(基礎控除申告書)のステップ別記入マニュアル
- 9. よくある質問(Q&A)
- まとめ:所得の見積額は怖くない、概算でサクッと書いて提出しよう
「年末調整の書類に『本年中の所得の見積額』を書く欄があるけれど、まだ11月なのに12月の給料や冬のボーナスがいくらになるかなんて分かるわけがない」
「もし見積もった金額が実際の年収とズレていたら、脱税になったり会社から怒られたりするのか」
毎年11月頃、会社の総務や人事から年末調整の書類が配られたとき、多くの会社員が最も頭を抱え、最もペンが止まるのがこの「所得の見積額」の記入です。
11月の提出時点では、11月分の残業代も、12月の基本給も、冬のボーナス(賞与)の支給額もまだ確定していません。それにもかかわらず、「1年間の合計所得の見積額を1円単位で計算して書け」と言われても、困惑してしまうのは当然のことです。
しかし、そこまで身構える必要はありません。
税法上、この欄はあくまで「見積額(みつもり額)」であって、1円の狂いもなくピッタリ正確に当てる必要はないからです。
多少のズレがあっても罰則やペナルティは一切なく、12月の最終給与が確定した段階で、会社の給与計算システムが1円単位で自動的に再計算・過不足精算を行ってくれる仕組みになっています。
この記事では、「所得の見積額」の正しい計算方法(未確定の給与・ボーナスを予測する3大テクニック)から、見積もりがズレた場合の会社の自動精算メカニズム、配偶者控除の判定ラインを跨ぎそうな時の安全策、副業がある場合の合算ルールまで、分かりやすく整理しました。
1. そもそもなぜ11月に「1年間の所得の見積額」を書かされるのか

年末調整の年間スケジュールと会社の締め切り
なぜ国や会社は、まだ1年が終わっていない11月に「所得の見積額」を提出させるのでしょうか。
その理由は、会社の経理・総務部門が12月の給料日までに全社員の年末調整計算を終わらせなければならないからです。
【年末調整のタイムライン】
・10月下旬〜11月中旬:社員が各種申告書(所得見積額)を会社へ提出
・11月下旬〜12月上旬:経理担当者が全員の控除額をシステムに入力・チェック
・12月中旬(冬ボーナス・12月給与確定):確定した年収データをもとに最終税額を自動計算
・12月給与支給日:過不足税額を精算(還付金の振込 または 追加徴収)
・翌年1月31日まで:税務署および各市区町村へ法定調書・給与支払報告書を提出
会社が何十人、何百人、何千人もの社員のデータをチェックして12月の給料日に還付金を振り込むためには、11月のうちに申告書を回収しておく必要があります。
そのため、法律(所得税法)でも「提出日現在の現況における見積額を記載すればよい」と明記されています。
【現場のリアル】11月の総務窓口、電卓片手に固まる人たち
ある会社の総務担当者から聞いた話ですが、年末調整の申告書を配布した直後の1週間は、毎年ほぼ同じ光景が繰り返されるそうです。窓口の前で申告書とにらめっこしながら、スマホの電卓アプリを開いたまま指が止まっている社員が何人も現れる。特に営業職や、シフト制で残業時間が読めない職種の人ほどその傾向が強いといいます。
「12月のボーナスなんてまだ査定も出てないのに、なんで今書かなきゃいけないんですか」と半ば怒り気味に聞いてくる社員もいれば、逆に几帳面すぎて「1円単位で合わせなきゃいけないと思い込み、去年の源泉徴収票と電卓と睨めっこしながら小数点まで計算しようとする人もいたそうです。総務担当者いわく、実際にはそこまでの精度は誰も求めていないのに、書類の「見積額」という文字だけで身構えてしまう人が毎年一定数いる、とのことでした。
窓口対応をしていて一番多かった質問は、「これって適当に書いたら脱税になりますか」というものだったそうです。総務側としては、見積額はあくまで仮の数字で、12月の給与が確定した時点でシステムが自動的に正しい税額へ引き直すので心配しなくていい、と毎年同じ説明を繰り返している、と苦笑いしていました。
2. 12月の給与・冬ボーナスが未確定なときの「3大見積もり計算テクニック」
では、未確定の給料やボーナスをどのように予測して書けばよいのでしょうか。
実務で広く使われている3つの見積もり計算法をご紹介します。どれを使っても全く問題ありません。
手法①:直近の給与明細ベース計算(最も確実・おすすめ)
手元にある直近(10月支給分など)の給与明細をもとに、残り月数を掛け算して計算する方法です。
【計算式】
1月〜10月までの総支給額の合計
+(直近10月の総支給額 × 残り2ヶ月分[11月・12月])
+(昨年の冬ボーナスの支給実績、または今年の想定賞与額)
---
=【本年の給与等の収入金額の見積額】
#### 具体例
- 1月〜10月の給与累計額:350万円
- 10月の給与総支給額:35万円(× 2ヶ月 = 70万円)
- 冬の想定ボーナス:80万円
- 収入見積額の合計:350万 + 70万 + 80万 = 500万円
手法②:昨年の「源泉徴収票」をそのままスライド(一番ラクな方法)
去年と比べて基本給や役職、残業時間に大きな変化がない場合は、去年の源泉徴収票に書かれている「支払金額」をそのまま今年の収入見積額として使う方法です。
昇給があった場合は、昇給分(月額×12ヶ月)を少し上乗せするだけで、1分で見積額を算出できます。
手法③:会社の雇用契約書・年俸通知書の金額を使う
年俸制の会社員や、固定給で残業代がほぼ発生しない職種の場合は、会社から通知されている「年間想定年俸」や「基本給×12ヶ月+標準賞与」の金額をそのまま記入します。
3. 「収入の見積額」から「所得の見積額」を出す計算早見表

年末調整の用紙(基礎控除申告書)に記入するのは、「収入(額面年収)」だけでなく、そこから給与所得控除を引いた「所得金額」です。
算出した収入見積額をもとに、以下の早見表からあなたの「給与所得の見積額」を求めて記入します。
| 給与等の収入金額の見積額(年収) | 給与所得控除額の計算式 | 給与所得の見積額(用紙に書く数字) |
|---|---|---|
| 〜 180万円以下 | 収入 × 40%(最低55万円) | 収入金額 − 給与所得控除額 |
| 180万円超 〜 360万円以下 | 収入 × 30% + 18万円 | 収入金額 − (収入 × 30% + 18万) |
| 360万円超 〜 660万円以下 | 収入 × 20% + 54万円 | 収入金額 − (収入 × 20% + 54万) |
| 660万円超 〜 850万円以下 | 収入 × 10% + 120万円 | 収入金額 − (収入 × 10% + 120万) |
| 850万円超(上限一律) | 一律 195万円 | 収入金額 − 195万円 |
主な年収における「所得見積額」の即答表
- 年収103万円 → 給与所得:48万円
- 年収300万円 → 給与所得:192万円(300万 − 108万)
- 年収400万円 → 給与所得:276万円(400万 − 124万)
- 年収500万円 → 給与所得:346万円(500万 − 154万)
- 年収600万円 → 給与所得:436万円(600万 − 164万)
- 年収700万円 → 給与所得:510万円(700万 − 190万)
- 年収800万円 → 給与所得:610万円(800万 − 190万)
- 年収1,000万円 → 給与所得:805万円(1,000万 − 195万)
4. 見積もりが実際の年収とズレたらどうなる?会社の「自動再計算」の仕組み
「もし見積額を500万円と書いたのに、12月の残業が多くて実際の年収が520万円になったらどうなるのか」
と心配される方が非常に多いですが、実務上は、何の手続きも修正申告も必要ありません。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.2662 年末調整のしかた」では、次のように説明されています。
『給与の支払者は、給与所得者の扶養控除等申告書を提出している人について、その年最後に給与の支払をする際に、年間の給与総額に対する年税額と、その年中に源泉徴収した税額の合計額とを比べて、過不足額を精算します。この手続を年末調整といいます』
出典:国税庁 タックスアンサー No.2662「年末調整のしかた」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2662.htm
この説明の通り、年末調整という仕組みそのものが「1年分の給与総額が確定してから、年税額と源泉徴収済みの税額の差を精算する」ために存在しています。つまり11月時点であなたが書く「見積額」は、あくまで最終計算の前段階の仮登録データにすぎず、そこにズレがあること自体が制度として織り込み済みなのです。
会社側の給与システムが勝手に正しく直してくれる
12月中旬に会社が12月の給料と冬のボーナスの支給額を確定させた瞬間、会社の給与計算ソフトが1年間の全支給データを1円単位で自動合算し、正確な年収と所得税を自動再計算します。
あなたが提出した見積もりの数字が10万円や20万円ズレていたとしても、最終的な源泉徴収票には1円単位で正確な数字が印字され、税金も過不足なくピッタリ精算されます。
【会社の自動再計算の流れ】
社員が提出した見積額:年収 500万円(所得 346万円)
▼
12月の給与確定後の実年収:年収 518万4,320円(実所得 360万7,456円)
▼
給与システムが実年収(518万4,320円)をベースに最終税額を自動確定
(社員が見積もり間違いを謝罪したり、書類を書き直す必要は一切なし)
「見積もりがズレたら脱税になるのではないか」という不安をよく聞きますが、脱税とは意図的に所得を隠したり虚偽の申告をしたりする行為を指すものであり、11月時点で確定していない未来の給与を合理的な方法で予測して書くことは、そもそも虚偽にあたりません。多少多め・少なめに見積もっても、最終的には会社のシステムが実額で上書きしてくれるため、心配する必要はありません。
5. 【要注意】見積もりのズレで「控除の判定ライン」を跨ぐ場合の危険と対策

ただし、1点だけ見積もりのズレが実際に問題になりやすいケースがあります。
それは、配偶者控除・配偶者特別控除の所得制限ラインの境界線ギリギリにいる場合です。
【現場のリアル】配偶者控除のラインを跨いで総務から連絡が来た話
パート勤務の妻を扶養に入れている会社員から聞いた話です。11月の申告書を出す時点で、妻の年収を「今年もだいたい100万円くらい」と去年の感覚のまま書いて提出したところ、実際には秋以降にシフトを増やしていたため、年末までの実収入が155万円近くまで伸びてしまいました。
12月の年末調整の計算が締まった後、総務から「奥様の所得区分が変わるため、配偶者控除の適用が外れて配偶者特別控除の段階的な金額に切り替わります。年末調整をやり直しますので、奥様の源泉徴収票か給与明細の写しを提出してください」という連絡が来たそうです。本人いわく「別に隠していたわけでもないのに、まるで指摘されたような気分になってドキッとした」とのこと。実際には手続き上の再計算が必要になっただけで、ペナルティも何もなかったものの、控除額の判定ラインを跨ぐと会社側での再調整という一手間が発生することを、身をもって知ったといいます。
このように、通常の給与所得の見積もりであれば多少のズレは自動精算で吸収されますが、配偶者の所得が控除の段階を切り替える境界線をまたぐ場合は、会社側の事務処理が一段階増える点は知っておいた方がいいでしょう。
要注意ライン①:配偶者(妻・夫)のパート収入
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1191 配偶者控除」では、控除対象配偶者となるための要件のひとつとして、配偶者の合計所得金額について次のように説明されています。
『年間の合計所得金額が48万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)であること』
出典:国税庁 タックスアンサー No.1191「配偶者控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm
配偶者の年収見積もりがズレて、以下の境界線を跨いでしまった場合、控除額が変動します。
- 103万円の壁(所得48万円):配偶者控除から配偶者特別控除へ切り替わる
- 150万円の壁(所得95万円):満額控除(38万円)から段階的減額へ切り替わる
- 201.6万円の壁(所得133万円):配偶者特別控除が0円になる
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1195 配偶者特別控除」では、次のように説明されています。
『配偶者特別控除は、配偶者に48万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられない場合に、配偶者の所得金額に応じて受けられる控除です。控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること、配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下であることなどの要件があります』
出典:国税庁 タックスアンサー No.1195「配偶者特別控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm
この規定の通り、配偶者の所得は48万円を境に控除の種類が切り替わり、133万円を超えた時点で控除自体がなくなります。ボーダーライン付近にいる場合は、11月の見積もり時点で「多少多め」に配偶者の年収を見積もっておくほうが、後から会社に再申告の連絡をする手間を避けられます。
要注意ライン②:あなた本人(納税者)の高年収制限
あなた自身の年収が1,000万円前後の場合、本人の合計所得金額によって控除額がガクッと下がります。
- 合計所得900万円以下(年収1,095万円以下):控除額38万円(満額)
- 合計所得900万超〜950万円以下(年収1,095万〜1,145万):控除額26万円
- 合計所得950万超〜1,000万円以下(年収1,145万〜1,195万):控除額13万円
- 合計所得1,000万円超(年収1,195万円超):控除額0円(適用なし)
配偶者の年収別・配偶者特別控除の段階的減税早見表(本人の所得900万円以下の場合)
| 配偶者の給与年収 | 配偶者の所得金額 | 配偶者控除・配偶者特別控除の控除額 | 夫婦合計の節税効果(概算) |
|---|---|---|---|
| 〜103万円以下 | 〜48万円以下 | 380,000円(満額) | 約76,000円 |
| 103万超〜150万円以下 | 48万超〜95万円以下 | 380,000円(満額) | 約76,000円 |
| 150万超〜166.5万円以下 | 95万超〜100万円以下 | 360,000円 | 約72,000円 |
| 166.5万超〜175.1万円以下 | 100万超〜105万円以下 | 310,000円 | 約62,000円 |
| 175.1万超〜180.3万円以下 | 105万超〜110万円以下 | 260,000円 | 約52,000円 |
| 180.3万超〜185.6万円以下 | 110万超〜115万円以下 | 210,000円 | 約42,000円 |
| 185.6万超〜190.9万円以下 | 115万超〜120万円以下 | 160,000円 | 約32,000円 |
| 190.9万超〜196.2万円以下 | 120万超〜125万円以下 | 110,000円 | 約22,000円 |
| 196.2万超〜201.5万円以下 | 125万超〜133万円以下 | 60,000円 | 約12,000円 |
| 201.6万円超 | 133万円超 | 0円(適用なし) | 0円 |
6. 変動給・インセンティブが多い人のための「年収予測ワークシート」
営業職の歩合給や、エンジニア・医療従事者の当直・夜勤手当など、月ごとの給与変動が大きい方は、以下のステップで予測値を算出するとブレを最小限に抑えられます。
【変動給向け年収予測ワークシート】
ステップ1: 1月〜10月までの「確定済み総支給額」を給与明細から合計(例:380万円)
ステップ2: 11月・12月の「基本給(固定給)」を2ヶ月分足す(例:30万 × 2 = 60万円)
ステップ3: 直近3ヶ月の「平均残業・歩合手当」を算出して2ヶ月分足す(例:月8万 × 2 = 16万円)
ステップ4: 冬のボーナスの想定支給額(業績連動の下限値または基準値)を足す(例:70万円)
---
→ 合計年収見積額:380万 + 60万 + 16万 + 70万 =【526万円】
この数字を早見表に当てはめて給与所得を算出すれば、実年収とのズレを数万円以内に収めることができます。
歩合給や当直手当のように月ごとの波が大きい人ほど「見積もりなんて出しようがない」と感じがちですが、直近3ヶ月の平均値を使うことで、単月の突発的な数字に振り回されずに済みます。繁忙期の1ヶ月だけを基準にすると見積もりが跳ね上がってしまうので、あくまで「平均」で計算するのがコツです。
7. 副業やその他の収入がある場合の「見積額合算ルール」
もしあなたが会社員の給料以外に、副業(ブログ、せどり、Web制作、Uber等)や不動産収入、株の売却益などがある場合は、基礎控除申告書の「(2) 給与所得以外の所得の合計額」に見積額を記入します。
- 給与所得以外の所得の合計額の記入例
- 種目:[ 雑所得(原稿料・Web制作) ]
- 所得金額:[ 180,000 ]円(年間売上30万 − 想定経費12万)
副業の所得が20万円以下の場合は書くべきか
確定申告においては「副業所得20万円以下は申告不要」というルールがありますが、年末調整の基礎控除申告書においては、すべての所得の合計額を見積もる建前になっています。
ただし、本業の年収が900万円以下であれば、副業の所得が十数万円あっても基礎控除額(48万円)は一切変動しないため、多少の記入漏れがあっても実務上税額に影響することはありません。
8. 年末調整用紙(基礎控除申告書)のステップ別記入マニュアル
実際の「給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書」の記入手順をステップ順に図解します。
【記入の手順】
ステップ1: 「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」の「給与所得」欄を見る
ステップ2: 「収入金額」に、今年1年間の見込み年収(例:5,200,000)を記入
ステップ3: 用紙裏面の計算表に当てはめて求めた所得額(例:3,620,000)を「所得金額」に記入
ステップ4: 「本年中の合計所得金額の見積額」の合計欄に同じ数字を転記
ステップ5: 下の判定表で「900万円以下(A)」にチェックを入れ、基礎控除額の欄に「480,000」と記入
これだけで基礎控除申告書の記入は完了です。所要時間は慣れていればわずか3分程度です。
9. よくある質問(Q&A)
Q1. 10月に転職して今の会社に入りました。前の会社の給料も見込んで合算して書く必要がありますか。
A. はい、前の会社の給与と今の会社の給料をすべて合算した1年間の総年収で見積もります。
前の会社から受け取った「源泉徴収票」の支払金額に、今の会社で12月までに支給される見込み給与を足し合わせて収入見積額を計算してください。
Q2. 妻がパートに出ていますが、12月のシフトがまだ決まっていません。
A. 直近の月収実績(例:月8万円)をもとに、「これまでの累計+8万円×残り月数」で概算してください。
103万円や150万円のラインを超えそうかどうかがポイントですので、大体のシフト予定で計算して記入すれば問題ありません。少しでも境界線を跨ぎそうな気配があるなら、多めの数字で見積もっておくと後から会社への再申告連絡をせずに済みます。
Q3. 見積もりを大幅に間違えて提出してしまい、後から気づきました。どうすればいいですか。
A. 12月の給与計算締め切り前であれば、総務部に連絡して訂正を申し出ることができます。
すでに年末調整の処理が終わってしまっていた場合でも、翌年1月に会社で「再年調(再計算)」をしてもらうか、または2月16日以降に自分自身で確定申告を行えば、正しい税額に修正できます。
Q4. 非課税の通勤手当(交通費)は収入見積額に足して計算しますか。
A. 足してはいけません。除外してください。
月15万円までの非課税通勤手当は税金がかからない非課税所得ですので、年収の見積もり計算には一切含めません。
Q5. 見積もりが実際とズレていたことが後で発覚したら、税務署から指摘されますか。
A. 通常のズレであれば税務署からの指摘対象にはなりません。
年末調整という制度自体が、年の途中の見積もりと年末の確定額との差を会社側で精算する前提で作られているためです。意図的に所得を過少に申告したり事実と異なる内容を記載したりしない限り、見積もりの誤差そのものが問題視されることはありません。
まとめ:所得の見積額は怖くない、概算でサクッと書いて提出しよう
- 「所得の見積額」はあくまで予測・概算でよく、1円単位で正確に当てる必要はない。
- 直近の給与明細や去年の源泉徴収票を使って、サクッと見積もりを出せば十分。
- 12月の給与確定時に、会社のシステムが自動で1円単位まで正しく再計算・精算してくれる。
- 控除のボーダーライン(103万・150万・本人の年収制限)ギリギリの時は、少し多めに見積もっておくのが安全。
- ズレがあっても罰則やペナルティは一切なし。ただし配偶者控除の判定ラインを跨いだ場合は、会社側での再計算連絡が来ることがある。
年末調整の書類作成で一番大切なのは、完璧な予想を立てることではなく、期限内に書類を確実に会社へ提出することです。
「見積額の計算式が合っているか不安」「申告書の作成をスマホで一発で終わらせたい」という方は、年収を入れるだけで所得や控除額を全自動計算できる『書けた年末調整』をご活用ください。
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