年末調整の「基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書」を広げて、いちばん上の欄に去年の源泉徴収票を見ながら数字を書き写そうとして、ふと手が止まった経験はないでしょうか。書くべきは「収入」なのか「所得」なのか、そもそもこの二つは同じ数字ではないのか、という疑問です。
日常会話では「年収」も「所得」も「手取り」もほとんど同じ意味で使ってしまいますが、税務署が使う言葉としてはこの三つはまったく別の金額を指します。取り違えたまま書類を出すと、後から総務に書き直しを頼まれたり、配偶者控除の判定を誤ったりすることになります。この記事では収入と所得がどう変換されるのか、いわゆる「年収の壁」の金額が令和7年分から実際に変わったこと、源泉徴収票のどの欄を見ればいいのかを、実務の流れに沿って整理していきます。
1. 「収入」と「所得」の違いは引き算の前後

結論から先に数式で示すと、次の一本の関係だけで理解できます。
所得(利益)= 収入(額面年収・総支給額)- 必要経費(給与をもらう人の場合は給与所得控除)
収入とは、会社から支払われた総支給額、つまり基本給・残業代・各種手当・賞与をすべて合計した、天引きされる前の金額です。所得とは、そこから「仕事をするためにかかった経費」に相当するものを差し引いた後の儲けの部分を指します。会社員やパート・アルバイトの場合、実際に領収書を集めて経費を計算する代わりに、収入額に応じて機械的に決まる給与所得控除という金額を経費とみなして差し引きます。所得税や住民税は収入全体にかかるのではなく、この経費を引いた後の所得に対してのみ課税されます。
【会社員の給与の場合】
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> - 給与等の収入金額(額面年収・総支給額)
> - 例: 年収 500万円
>
> - マイナス
>
> - 給与所得控除(法律で決まっているみなし経費)
> - 例: 144万円(500万円×20%+44万円)
>
> - イコール
>
> - 給与所得(税金の計算のベースとなる金額)
> - 例: 356万円
給与所得控除の金額は、国税庁タックスアンサー「No.1410 給与所得控除」に収入額ごとの速算表として定められています。令和7年分以降は、収入190万円までは一律65万円、190万円超360万円以下は「収入金額×30%+8万円」、360万円超660万円以下は「収入金額×20%+44万円」という計算式になります(出典:国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm)。年収500万円の会社員なら、360万円超660万円以下の区分にあたるため、控除額は500万円×20%+44万円=144万円、給与所得は356万円になります。
【現場のリアル】基礎控除申告書に手取り額を書いてしまった話
中小企業で経理を担当している知人から聞いた話です。ある年、入社2年目の社員が提出した基礎控除申告書の「本年中の合計所得金額の見積額」欄に、深く考えずに毎月の給与明細の「差引支給額」、いわゆる手取りを12倍しただけの数字が書き込まれていました。その社員の額面年収はおよそ380万円で、給与所得控除120万円(380万円×20%+44万円)を引いた本来の所得は260万円ほどでしたが、申告書には手取りベースの300万円台の数字が記入されていたそうです。実際の所得より40万円以上も高い数字を書いてしまっていたことになり、このままでは基礎控除の判定区分がずれ、年末調整の税額計算そのものが狂うところでした。経理担当者は「源泉徴収票が届いたら①の支払金額の欄を見て、そこから概算で経費分を引いた数字を書いてください」と説明し直したといいます。手取りと所得を混同してしまう新入社員は、実はどの職場にも一定数いるとのことでした。
2. なぜ「年収103万円」と「所得48万円」が同じ意味だったのか、令和7年分からどう変わったか
パートやアルバイトの税金の話でよく出てくる「103万円の壁」は、この収入と所得の関係そのものです。ただしこの数字、令和7年分(2025年分)から実際に変わっています。
令和6年分以前は、給与所得控除の最低保障額が55万円、配偶者控除・扶養控除の対象になるための配偶者や扶養親族本人の合計所得金額の上限が48万円でした。55万円+48万円=103万円という組み合わせが、いわゆる「103万円の壁」の正体です。
ところが令和7年度税制改正で、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に、配偶者控除・扶養控除の所得要件が48万円以下から58万円以下に、それぞれ引き上げられました(出典:国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm、No.1191「配偶者控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm)。65万円+58万円=123万円となり、令和7年分以降は「103万円の壁」が「123万円の壁」に置き換わっています。ニュースなどで「年収の壁が引き上げられた」と報じられていたのは、このことです。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1191 配偶者控除」では、配偶者控除の対象となる配偶者の要件について次のように定めています。
『年間の合計所得金額が58万円以下(令和6年分以前は48万円以下)であること』
給与収入だけの場合は、給与収入123万円以下(令和6年分以前は103万円以下)であれば所得要件を満たすことになります。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1191「配偶者控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm
同様に、配偶者特別控除が満額(38万円)受けられる上限も、配偶者の合計所得95万円以下という基準自体は変わっていませんが、給与所得控除の最低保障額が65万円に上がった影響で、給与収入に換算すると150万円から160万円に変わりました。一方、配偶者特別控除が少しでも受けられる上限(合計所得133万円以下)は、この所得水準にあたる給与所得控除の計算式「収入金額×30%+8万円」自体が改正の対象外だったため、給与収入に換算した金額は201万5,999円のまま変わっていません(出典:国税庁 タックスアンサー No.1195「配偶者特別控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm)。
各種「壁」の令和6年分以前・令和7年分以降の対応早見表
年末調整の用紙では、すべて「所得」で判定します。手元にこの早見表を置いておくと、収入から所得への換算で迷わずに済みます。
| いわゆる「年収の壁」 | 令和6年分以前の給与収入 | 令和7年分以降の給与収入 | 判定に使われる合計所得金額 | 発生する効果 |
|---|---|---|---|---|
| 103万円→123万円の壁 | 103万円以下 | 123万円以下 | 58万円以下(旧48万円以下) | 本人の所得税が原則0円/配偶者控除・扶養控除の対象 |
| 150万円→160万円の壁 | 150万円以下 | 160万円以下 | 95万円以下(配偶者特別控除の満額38万円ライン) | 配偶者特別控除を満額受けられる上限 |
| 201.6万円の壁 | 201万5,999円以下 | 201万5,999円以下(変更なし) | 133万円以下 | 配偶者特別控除が少しでも受けられるギリギリの上限 |
| 本人の年収制限 | 1,195万円以下 | 1,195万円以下(変更なし) | 900万円以下 | 配偶者控除を満額受けられる本人の年収上限 |
このほか、本人自身にかかる基礎控除も、合計所得金額132万円以下であれば令和7年分・8年分に限り48万円から95万円へ時限的に引き上げられています(令和9年分以降の取り扱いは別途見直しが予定されています)。それ以外の所得水準にあたる会社員の基礎控除は、令和7年分から本則で58万円です(出典:国税庁 タックスアンサー No.1199「基礎控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm)。
3. 「所得」と「手取り」も全く違う、混同しやすい4つの用語

「所得って、結局は銀行口座に振り込まれる手取り金額のことでしょう」と思い込んでいる人は少なくありません。税務・給与に関する4つの用語を整理しておきます。
| 用語 | 意味 | 給与明細での記載場所 | 具体例(年収500万円の場合) |
|---|---|---|---|
| ① 額面給与(収入) | 基本給+残業代+各種手当の合計(天引き前) | 「総支給額」 | 500万円 |
| ② 給与所得 | 額面収入から給与所得控除(みなし経費)を引いた額 | 明細には載らない(源泉徴収票に記載) | 356万円 |
| ③ 課税所得 | 給与所得から社会保険料や生命保険料控除、基礎控除などを引いた額 | 明細には載らない(税額計算用) | およそ200万円台前半 |
| ④ 手取り額 | 額面から社会保険料・所得税・住民税を引いて口座に振り込まれる額 | 「差引支給額」 | およそ390万円前後 |
手取り(差引支給額)は、税金や社会保険料が引かれた後にあなたの手元に残る実際のお金です。所得は、税金や社会保険料を計算するための土台として、法律上のみなし経費を引いた後の金額です。したがって、年末調整の「所得の見積額」の欄に手取り金額を書いてしまうと過小申告になり、先ほどの体験談のように後から修正が必要になります。
【現場のリアル】副業の所得を合算し忘れて扶養の判定がずれた話
ライター業を副業にしている会社員から聞いた話です。本業の給与所得のほかに、原稿料の雑所得が年間20万円ほどあったのですが、年末調整の基礎控除申告書には本業の給与所得だけを記入し、副業分は「確定申告で別途申告するから年末調整には関係ない」と思い込んで書かずに提出していました。ところが基礎控除申告書で記入すべき「合計所得金額の見積額」は、給与所得と給与所得以外の所得をすべて合算した金額です。副業分を書かなかったせいで、会社側は実際より低い所得区分で基礎控除額を計算してしまい、翌年の確定申告で追加の納税が発生しました。年末調整の書類提出時点では、副業の所得が確定申告の対象になるかどうかにかかわらず、見積額としてはいったん合算して書く必要がある、というのが見落としやすいポイントです。
4. 源泉徴収票のどこを見れば「収入」と「所得」がわかるか
毎年12月から1月にかけて会社から配られる「給与所得の源泉徴収票」には、この収入と所得の関係がそのまま並んで印字されています。
【給与所得の源泉徴収票】
| 支払金額 ① 5,000,000円 | 給与所得控除後の金額 (調整控除後) ② 3,560,000円 | 所得控除の額の 合計額 ③ 1,460,000円 |
|---|
一つ目の「支払金額」欄が、あなたの収入、つまり1年間に会社があなたに支払った給料・賞与の総額です。二つ目の「給与所得控除後の金額(調整控除後)」欄が、あなたの所得にあたります。①の支払金額から給与所得控除を差し引いた金額で、所得金額調整控除の対象者はその分もあらかじめ引かれた金額が印字されます。この欄名は、国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」で定められている正式名称です(出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebikihtml/2-2-4.htm)。三つ目の「所得控除の額の合計額」欄は、あなたが払った社会保険料、生命保険料控除、基礎控除、配偶者控除などの合計です。
税務署は、②の所得から③の所得控除を引き算した課税所得に税率をかけて、最終的な所得税額を決定しています。源泉徴収票を見て自分の「所得」がいくらか確認したいときは、①ではなく②の数字を見る、これだけ覚えておけば十分です。
5. 年末調整の申告書を書くときの実践的な注意点

年末調整の基礎控除申告書や配偶者控除等申告書に記入する際、最もミスが起きやすいのがこの収入と所得の換算です。書くべきは手取りではなく額面年収と所得であり、給与明細の総支給額の1年間の見込み合計を記入します。副業がある場合は、給与であれば給与所得、フリマアプリや原稿料のような雑所得であれば売上から必要経費を引いた所得金額を、本業の給与所得に合算して書きます。会社から支給されている交通費のうち、月15万円までの非課税枠に収まる通勤手当は、収入金額の計算には含めません。
【現場のリアル】源泉徴収票の再発行を前職に電話で頼んだ話
年の途中で転職した会社員が、新しい勤務先での年末調整の提出期限前日になって、前職から受け取った源泉徴収票をどこかに紛れさせてしまったことに気づいた、という話です。年末調整では、その年に2か所以上から給与を受け取っていた場合、前職分の源泉徴収票を新しい勤務先に提出し、両方の収入を合算して1つの年末調整として処理する必要があります。慌てて前職の総務に電話をかけたところ、担当者は不在で折り返しになり、結局再発行されたPDFが届いたのは提出期限の翌日でした。新しい勤務先の担当者に事情を話して数日待ってもらい事なきを得たそうですが、退職時に受け取った源泉徴収票は、次の転職先での年末調整まで必ず保管しておく書類だと痛感したと話していました。
6. 年末調整用紙「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」の記入例
年末調整で最も書くのに迷うのが、基礎控除申告書の中ほどにある所得計算欄です。年収500万円で副業の原稿料収入もある会社員を例に、収入から所得を導く記入例を示します。
### あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算
- (1) 給与所得
・収入金額:[ 5,000,000 ]円(1年間の額面給料+賞与の見積額)
・所得金額:[ 3,560,000 ]円(500万円-144万円=356万円)
- (2) 給与所得以外の所得の合計額
・種目:[ 雑所得(原稿料) ]
・所得金額:[ 150,000 ]円(売上25万円-経費10万円)
- (3) 本年中の合計所得金額の見積額 = (1) + (2)
・合計金額:[ 3,710,000 ]円
・判定:[ 900万円以下 ] →【基礎控除額:58万円】
このように、給与所得と副業の所得を別々に計算し、最後に合算した合計所得金額をもとに、あなたの基礎控除額や配偶者控除額が決まります。この例では合計所得金額が132万円を超えているため、令和7年分・8年分に限って適用される95万円への時限的な引き上げは対象外で、本則どおり58万円の基礎控除になります。
7. 「所得」から翌年の住民税が決まるまでの流れ
「年末調整で決まるのは所得税だけ」と思っていないでしょうか。実は、年末調整で確定した所得と控除のデータは、翌年1月に会社からあなたのお住まいの自治体(市区町村)へ送られ、翌年6月から天引きされる住民税の決定に使われます。
【住民税が計算される全フロー】
1. 給与所得(356万円) - 住民税の所得控除(146万円) =【課税標準額】:210万円
2. 課税標準額(210万円) × 所得割の標準税率10%(市町村民税6%+道府県民税4%)
=【所得割額】:210,000円
3. 【均等割額】(標準):4,000円(道府県民税1,000円+市町村民税3,000円)
4. 【森林環境税】(国税だが個人住民税と併せて徴収):1,000円
---
=【年間住民税額】:215,000円(毎月およそ17,900円の天引き)
住民税の所得割は総務省が示す標準税率で10%の比例課税です(出典:総務省「個人住民税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html)。均等割は令和6年度から、それまで一律5,000円だった負担のうち1,000円分が森林環境税という国税に切り替わり、住民税本体の均等割は4,000円、森林環境税1,000円という内訳で、合計の負担額自体は変わらない形になっています(出典:総務省「森林環境税及び森林環境譲与税について」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/04000067.html)。年末調整で控除を1つ増やして所得を10万円減らすことができれば、所得税だけでなく翌年の住民税もおよそ1万円(10万円×10%)安くなります。
【現場のリアル】所得税は0円なのに住民税だけ引かれていた理由
学生時代からアルバイトを掛け持ちしていたある会社員は、年収がちょうど103万円に収まるよう勤務時間を調整していたにもかかわらず、翌年6月に届いた住民税の通知書を見て困惑したといいます。所得税は源泉徴収されておらず0円だったのに、住民税だけわずかに引かれていたからです。総務に問い合わせたところ「所得税の基礎控除と住民税の基礎控除は金額が違うので、住民税の方だけ課税所得がわずかに残ることがあります」という説明を受けました。所得税の基礎控除が48万円(令和6年分以前)だったのに対し、住民税の基礎控除は43万円にとどまり、その5万円の差が、年収103万円ぴったりでも住民税だけ発生する原因になっていたのです。住民税は「地域社会の会費」的な性格があるとされ、所得税の基礎控除が引き上げられた令和7年度税制改正の後も、住民税の基礎控除43万円は据え置かれています(出典:総務省 個人住民税に関する説明資料 https://www.soumu.go.jp/main_content/001002521.pdf)。壁ぎりぎりで働いていても住民税がまったくのゼロにはならない、というのはこの仕組みによるものです。
8. よくある質問
年末調整の用紙にある「所得の見積額」が1円単位で分かりません。ぴったり正確でないと怒られますか
あくまで見積額なので、多少のズレがあっても問題ありません。11月時点では12月の残業代や冬のボーナスが未確定なのが普通です。前年の実績や直近の給与をもとに概算で記入すれば、12月の給与支払い時に会社の給与システムで1円単位まで正確に再計算(年末調整の精算)されます。
妻がフリマアプリや業務委託で稼いでいます。この場合の「所得」はどう計算しますか
売上金額から実際にかかった必要経費を引いた金額が所得になります。パート給与のような給与所得控除は使えませんが、仕入れ代や梱包資材費、送料、通信費などの実費を売上から差し引いた残りが所得です。この所得が58万円以下(令和6年分以前は48万円以下)であれば、夫の配偶者控除の対象になります(出典:国税庁 タックスアンサー No.1191「配偶者控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm)。
失業保険や遺族年金、障害年金をもらっている場合、「収入」や「所得」に含める必要がありますか
含める必要はありません。雇用保険の基本手当(失業保険)、育児休業給付金、出産手当金、遺族年金、障害年金などは、法律上いずれも非課税所得として扱われます。年末調整の書類に書く必要はありません。
2か所以上から給与をもらっている場合、年末調整はどう扱われますか
年末調整はメインの勤務先(扶養控除等申告書を提出している会社)でしか受けられません。国税庁タックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」では、給与を2か所以上から受けている人のうち、年末調整をされなかった従たる給与とその他の所得の合計額が20万円を超える場合は、確定申告が必要と定められています(出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm)。副業先の給与所得が少額でも、合算を忘れると後から追徴が発生するので注意が必要です。
まとめ
収入(年収)は天引き前の総支給額、所得は収入から給与所得控除というみなし経費を引いた後の利益、手取りは税金・社会保険料が引かれた後に口座に振り込まれるお金です。年末調整の書類には、手取りではなく収入と所得を正しく記入する必要があります。
いわゆる「年収の壁」は、令和7年分から103万円が123万円に、150万円が160万円に、それぞれ引き上げられました。201万5,999円の壁と本人年収1,195万円の壁は計算式が変わらなかったため、従来どおりの金額です。源泉徴収票を見るときは、①支払金額ではなく②給与所得控除後の金額の欄を見れば、自分の所得がすぐにわかります。
計算式が込み入っていて自分の所得がいくらか分からない、用紙のどの枠に何を書けばいいのか不安、という場合は、画面の案内に沿って数字を入力するだけで自動換算・書類作成ができる『書けた年末調整』のような入力支援サービスを使うと、手書きでの取り違えを防ぎやすくなります。