年末調整のマイナポータル連携で自動化される範囲【年調ソフト】

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目次

「保険会社から届くハガキを何枚も集めて、電卓で足し算する作業がとにかく苦手」

「マイナンバーカードを持っているのに、年末調整で活用できていない気がする」

毎年10月から11月にかけて自宅のポストに続々と届く控除証明書のハガキ。生命保険、地震保険、iDeCo、住宅ローンの残高証明書とハガキの種類が増えるほど、紛失や記入ミスのリスクも増えていきます。

これを解決するために国税庁が提供しているのが、マイナポータルと連携して控除証明書のデータを自動取得できる「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」、通称「年調ソフト」です。この記事では、実際に何がどこまで自動化されるのか、連携に必要な準備、そして使ってみて初めて分かるつまずきポイントまで、国税庁の公式情報にもとづいて整理します。


1. マイナポータル連携で自動入力できる控除、できない控除

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国税庁が自動入力に対応していると案内しているのは、生命保険料控除・住宅ローン控除・社会保険料控除・ふるさと納税の4項目で、医療費控除は年末調整そのものの対象外のため含まれません。

1-1. 対応控除の早見表

自動取得できるかどうかは控除の種類ごとに決まっており、対応の有無は次の表のとおりです。

控除の種類マイナポータル連携での自動入力備考
生命保険料控除対応保険会社がデータ連携に対応している場合のみ
住宅ローン控除(年末残高証明書)対応金融機関がデータ連携に対応している場合のみ
社会保険料控除対応国民年金保険料等が対象
ふるさと納税(寄附金控除)対応自治体・ポータルサイトが連携対応している場合のみ
医療費控除非対応(年末調整の対象外)翌年の確定申告側でマイナポータル連携を行う
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「マイナポータルと連携した年末調整手続」では、マイナポータル経由で一括取得し、年末調整の各種控除申告書に自動入力できるデータとして、生命保険料控除、住宅ローン控除(年末残高証明書)、社会保険料控除、ふるさと納税(寄附金控除)などが案内されています。
出典:国税庁「マイナポータルと連携した年末調整手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/mnp_junbi/nenmatsu.htm

1-2. 医療費控除だけ確定申告側の連携になる理由

医療費控除は会社の年末調整では扱えない制度のため、マイナポータル連携を使う場合も翌年の確定申告(確定申告書等作成コーナー)側で改めて連携する必要があります。

年末調整でマイナポータル連携を使う人がまず自動化できるのは、生命保険・地震保険・住宅ローン・社会保険料・ふるさと納税のうち、保険会社や自治体、金融機関がデータ連携に対応している分だけ、という点を最初に理解しておくと、当日「思ったより自動で埋まらなかった」という戸惑いを防げます。

#### 【現場のリアル】全部自動で終わると思い込んでいて拍子抜けした話

今年初めてマイナポータル連携を試したという会社員の方の話です。同僚から「マイナンバーカードをかざすだけで年末調整が全部終わる」と聞いていたため、生命保険の証明書を連携させたあと、住宅ローンの年末残高証明書も自動で出てくるものと期待していたそうです。ところが自分が組んでいる住宅ローンの金融機関がまだデータ連携に対応していなかったらしく、その項目だけ結局ハガキを見ながら手入力することになりました。「全部自動だと思い込んでいたぶん、一つだけ手入力が必要だったときに損した気分になったが、冷静に考えれば生命保険と社会保険料が自動で埋まっただけでもかなり時間が浮いた」と話していました。金融機関や保険会社がマイナポータル連携に対応しているかどうかは年々増えているものの、全社が対応しているわけではないため、期待値は「全部ではなく一部」に置いておくのが実際的です。


2. 連携前に準備しておくべきもの

マイナポータル連携に必須なのは、マイナンバーカード本体、読み取りに対応したスマートフォンまたはICカードリーダライタ、そして暗証番号の3点です。

2-1. 事前準備チェックリスト

準備が足りないまま作業を始めると暗証番号でつまずくことが多いため、次の3点を事前に確認しておきます。

準備するもの内容注意点
マイナンバーカード本体有効期限内のもの電子証明書の有効期限(発行から5回目の誕生日)も要確認
読み取り機器マイナンバーカード読み取り対応スマートフォン、またはICカードリーダライタ対応機種は総務省・地方公共団体情報システム機構のサイトで確認できる
暗証番号数字4桁(ログイン用)/英数字6〜16桁(申告データ送信用)市区町村窓口で受け取った際の控えを事前に確認しておく
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「マイナポータルと連携した年末調整手続」では、事前準備として、マイナンバーカードと、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンまたはICカードリーダライタ、そしてマイナンバーカードのパスワードが必要であると案内されています。
出典:国税庁「マイナポータルと連携した年末調整手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/mnp_junbi/nenmatsu.htm

2-2. 暗証番号が2種類ある理由とロック時の対処

マイナポータルへのログインには数字4桁の暗証番号を使い、年末調整の申告データを電子的に会社へ送信する場面では6桁から16桁の英数字を組み合わせた暗証番号が別に必要になります。

カードを市区町村窓口で受け取った際に渡される複数の控えのうち、どれが何の暗証番号だったか忘れてしまっている人は多いので、連携作業を始める前に手元の暗証番号控えを確認しておくと、当日の作業がスムーズです。暗証番号を一定回数間違えるとロックがかかり、解除には市区町村窓口での再設定手続きが必要になるため、うろ覚えのまま何度も入力を試すのは避けたほうが安全です。

#### 【現場のリアル】暗証番号を3回間違えてロックされ、平日に役所へ行く羽目になった話

在宅勤務中にマイナポータル連携を試みた方の話です。マイナンバーカード受け取り時にもらった書類を見つけられず、記憶を頼りに暗証番号を入力していったところ、3回連続で失敗してロックがかかってしまったといいます。画面には「市区町村窓口でロック解除の手続きが必要です」とだけ表示され、その日のうちに年末調整を終わらせるつもりだった計画が崩れてしまいました。結局、平日に半休を取って市役所の窓口へ行き、本人確認のうえで暗証番号を再設定してもらい、事なきを得たそうです。本人は「番号を覚えている自信がないなら、うろ覚えのまま何度も試すより先に控えを探すべきだった」と振り返っていました。


3. 年調ソフトを使った実際の操作の流れ

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年調ソフトの操作は、申告書ファイルの取り込みからマイナポータル連携、自動反映されなかった項目の手入力、会社への提出まで、6ステップで完結します。

3-1. 操作6ステップ

国税庁が無料で配布している年調ソフト(年末調整控除申告書作成用ソフトウェア)は、パソコンにインストールする版とスマートフォンアプリ版があり、いずれもマイナポータル連携に対応しています。操作の大まかな流れは次の表のとおりです。

ステップ内容
1年調ソフトを起動し、勤務先から共有された「申告書提出用ファイル」を取り込むか、新規に作成を始める
2画面の案内に沿って、扶養親族や配偶者の情報を入力する
3「マイナポータル連携」を選択し、マイナンバーカードを読み取って認証する
4連携が完了すると、対応している保険会社・金融機関・自治体のデータが自動的に該当項目へ反映される
5反映されなかった項目(連携未対応の保険会社など)だけ、手元の証明書を見ながら入力する
6すべての項目を確認し、会社が指定する方法(データ送信、印刷しての紙提出など)で提出する

3-2. 会社が電子データ提出に対応していない場合

会社側が年調ソフトでのデータ提出を受け付けていない場合は、年調ソフトで作成した内容を印刷して紙で提出することも可能です。

勤務先がどちらの提出方法に対応しているかは、年末調整の案内資料や総務・人事からの通知で確認してください。

#### 【現場のリアル】会社が紙提出しか受け付けておらず、拍子抜けした総務担当者の話

ある中小企業で年末調整の取りまとめを担当している方の話です。従業員から「年調ソフトでデータ提出したいのですが」と相談を受けたものの、自社の給与システムが電子データでの受け取りに対応しておらず、結局は年調ソフトで作成した内容を印刷してもらい、紙で提出してもらう形に落ち着いたそうです。従業員側は「マイナポータルで自動入力できたのに、最後は印刷してハンコを押すことになり、思ったよりデジタル化されていないと感じた」と少し残念そうだったといいます。担当者自身も「年調ソフトの入力精度は確かに上がるので従業員には勧めているが、会社側のシステムが追いついていないと、結局最後は紙に戻ってしまう」と話していました。マイナポータル連携が効果を発揮するのは入力の正確さとスピードの部分であり、会社側の受け取り体制が電子化されていない場合は、最終的な提出形式まで自動化されるとは限らない、というのが実務の実情です。


4. 確定申告(e-Tax)側のマイナポータル連携

年末調整で完結しない人は、翌年2月からの確定申告でも改めてマイナポータル連携を行うことで、源泉徴収票や各種控除証明書のデータを自動入力できます。

医療費控除や、ふるさと納税の申告先が6自治体以上になった人などは、年末調整では処理しきれず確定申告が必要になります。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「マイナポータルと連携した所得税確定申告手続」では、確定申告書等作成コーナーでマイナポータル連携を行うことで、給与所得の源泉徴収票や各種控除証明書のデータを一括取得し、申告書の該当項目に自動入力できると案内されています。
出典:国税庁「マイナポータルと連携した所得税確定申告手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/mnp_junbi/kakutei.htm

年末調整で使った年調ソフトのデータをそのまま確定申告に引き継げるわけではなく、確定申告書等作成コーナー側で改めてマイナポータル連携を行う必要があります。年末調整と確定申告は別々のシステムであるため、両方使う人は「年末調整用の連携」と「確定申告用の連携」を、それぞれのタイミングで行うことになります。


5. よくある質問

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マイナンバーカードなしでの利用可否、会社への情報共有範囲、スマートフォン単体での完結可否、この3点が読者から特に多い質問です。

5-1. 質問と結論の早見表

No.質問の要旨結論
Q1マイナンバーカードがない場合、年調ソフトは使えるか使える。連携部分のみ利用不可で、手入力での控除額自動計算は可能
Q2会社にマイナンバーカードの情報が伝わるか伝わらない。会社に送信されるのは控除額データのみ
Q3スマートフォン単体で完結するか完結する。読み取り対応機種であればパソコン不要

#### Q1. マイナンバーカードを持っていない場合、年調ソフトは使えませんか。

マイナポータル連携の部分は使えませんが、年調ソフト自体は、証明書の内容を自分で手入力する形で利用できます。手入力でも控除額の自動計算や入力漏れのチェックといった機能は使えるため、マイナンバーカードがなくても紙に手書きするよりは負担が軽くなります。

#### Q2. 会社にマイナンバーカードの情報が伝わってしまいませんか。

会社に送信されるのは年末調整に必要な控除額のデータのみで、マイナンバーカード自体の情報や、資産・預金残高といった個人情報が会社に伝わることはありません。

#### Q3. スマートフォンだけで全部完結しますか、パソコンは必要ですか。

年調ソフトはスマートフォンアプリでも提供されており、マイナンバーカードの読み取りに対応した機種であれば、スマートフォン単体で作成から提出まで完結できます。パソコンは必須ではありません。


まとめ、自動化されるのは一部、それでも十分に負担は減る

マイナポータル連携で自動入力できるのは、生命保険料控除、住宅ローン控除、社会保険料控除、ふるさと納税など、データ連携に対応している保険会社・金融機関・自治体の分に限られます。医療費控除のように年末調整の対象外の制度は、翌年の確定申告側で別途連携する必要があります。

完全に手作業がゼロになるわけではありませんが、暗証番号など事前の準備さえ整えておけば、ハガキを一枚ずつ探して電卓を叩く作業の多くを省略できるのは間違いありません。連携に対応していない項目だけ手入力すればよい、という前提で臨むと、当日の作業がスムーズに進みます。

年末調整の書類作成をスマホで手早く終わらせたい方は、無料で使える「書けた年末調整」もあわせてご利用ください。

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