暗号資産(仮想通貨・ビットコイン)やFXで利益が出たサラリーマンの年末調整と確定申告

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目次

「ビットコインやリップルを売って利益が出たけれど、年末調整の書類に書くべき?」

「FXや仮想通貨の税金って、会社の年末調整とどう関係しているの?」

投資ブームの中で、暗号資産(仮想通貨)やFX(外国為替証拠金取引)で数十万〜数百万円の利益を得るサラリーマンが増えています。

年末調整の時期になると、「会社に仮想通貨の利益を書いたら会社にバレる?」「FXで大損したけれど年末調整で何か引いてくれる?」といった疑問を持つ方が非常に多いです。

先に要点だけお伝えすると、暗号資産(ビットコイン等)やFXの利益・損失は、本業の会社の年末調整用紙には一切記入しません。投資に関する欄は完全に空欄のまま提出するのが正解です。

なぜなら、仮想通貨やFXの税金は会社の給与計算で精算できる仕組みになっておらず、年明け2月16日から3月15日の間に自分自身で税務署へ確定申告を行って納税・精算するルールになっているからです。

さらに、暗号資産と国税庁が「先物取引に係る雑所得等」として扱うFXでは、税金の計算ルールが根本から異なります。暗号資産は他の所得と合算される総合課税の対象で税率は最大55%、FXは他の所得と切り離される申告分離課税で税率は一律です。損失が出たときの繰越控除ができるかどうかも、この記事ではっきり分かれます。

この記事では、国税庁のタックスアンサーで実際に確認できる条文と税率をもとに、暗号資産とFXの税務上の違いから、会社の年末調整での正しい対応、仮想通貨の利確タイミングの落とし穴、FXの3年間損失繰越の使い方、取引所の年間取引報告書の取得方法、そして会社にバレずに確定申告を終わらせる手順まで整理しました。


1. ひと目でわかる「暗号資産(仮想通貨)」vs「FX」の税制比較

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まず、暗号資産とFXで税金の仕組みがどう違うのか、全体像を整理します。

比較項目暗号資産(仮想通貨・ビットコイン等)FX(外国為替証拠金取引)
所得の区分雑所得(総合課税)先物取引に係る雑所得等(申告分離課税)
適用される税率累進税率 15%〜最大55%(所得税+住民税)一律 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税)
損失の繰越控除不可(その年の赤字は切り捨て)可能(最長3年間の損失繰越が可能)
他の所得との損益通算給料やFXとは相殺できない他の先物・オプション・CFDと損益通算可能
会社の年末調整一切書かない(完全対象外)一切書かない(完全対象外)
【税率の差はここまで大きい】
・FXなら:利益が1,000万円出ても、税率は一律「20.315%」で固定
・暗号資産なら:給料と合算されて累進課税になるため、高所得者は「最大55%」もの税率が適用される
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」では、次のように説明されています。
『他の所得と区分し、「先物取引に係る雑所得等」として、所得税15パーセント(他に地方税5パーセント)の税率で課税されます(申告分離課税)。』
出典:国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1521.htm

このページの注記には、平成25年から令和19年までの各年分の確定申告では所得税と復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付すると書かれています。所得税15%の2.1%が0.315%にあたるため、所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%を合計すると、いわゆる「20.315%」という実務上おなじみの数字になります。

暗号資産の利益が雑所得として他の所得と合算される点は、国税庁タックスアンサー「No.1500 雑所得」でも裏付けられています。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1500 雑所得」では、次のように説明されています。
『雑所得の金額は、給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算します。』
出典:国税庁「No.1500 雑所得」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm

このNo.1500のページには関連コードとして「1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」が案内されており、暗号資産の利益が雑所得の枠組みで扱われることが確認できます。


2. 会社の年末調整における絶対ルール:投資の欄は空欄のまま

会社から配られた年末調整の用紙(扶養控除申告書や基礎控除申告書)には、仮想通貨やFXの利益・損失について何も書きません。これらの用紙は本業の給与所得を精算するための書類であり、雑所得や申告分離課税の欄はそもそも存在しないからです。

【暗号資産・FXの年間スケジュール】

11月:会社の年末調整本業の給与のみを記入して提出(投資は無視)
1月:年間取引報告書を取得取引所(bitFlyer、Coincheck、GMOクリック証
券等)から年間取引報告書(PDF/CSV)を取得
2月〜3月:税務署へ確定申告利益が20万円を超える場合、
スマホe-Taxで確定申告(普通徴収を選択)

暗号資産を使わずFXだけで大損した年でも、年末調整の書類に損失を書いて税金を引いてもらうことはできません。損失を翌年以降に活かす手続きは、あくまで確定申告のほうで行います(詳しくは4章)。

給与所得者が確定申告を行うべきかどうかの基本ラインは、国税庁タックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」に定められています。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」では、次のように説明されています。
『給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人』は確定申告をしなければなりません。
出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

暗号資産とFXの利益は合算せず、それぞれ別の所得区分として20万円を超えるかどうかを見る点にも注意してください。暗号資産で15万円、FXで10万円の利益が出ていて、それぞれ単独では20万円以下でも、両方とも雑所得の系統に含まれるため合計25万円として20万円ラインを超え、申告が必要になるケースがあります(暗号資産は雑所得、FXは先物取引に係る雑所得等と区分は異なりますが、給与所得者の確定申告要否の判定では「給与所得、退職所得を除く各種の所得金額の合計額」で見るため、両方を合算して判定することになります)。


3. 仮想通貨で税金が発生する「3つの利確タイミング」

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「日本円に換金(出金)していないから税金はかからない」と勘違いしている方が多いのですが、税法上は次の行為を行った時点で利益が確定したとみなされ、課税対象になります。

【暗号資産の課税発生タイミング】

日本円に売却した時保有していたBTCを日本円に換金した時
別の仮想通貨へ交換した時(落とし穴)ビットコインでイーサリアム(ETH)や
アルトコインを購入・トレードした時
仮想通貨で商品・決済をした時ビットコインで家電や商品券等を購入

ビットコインから他のコインへ乗り換えただけでも、その時点までの含み益に対して税金が発生します。年間の損益計算ツール(後述するCryptactやGtax等)を使って、取引所ごとの履歴を正確に反映させておくことが欠かせません。

【現場のリアル】含み益に気づかず何度もコインを乗り換えていた話

ある20代のエンジニアの方から聞いた話です。2年前にビットコインを50万円分購入し、値上がりを待つ間に「もっと上がりそうなコインに乗り換えよう」と考え、値動きを見ながら年に何度もアルトコイン同士を交換していたそうです。日本円には一度も換金していなかったため、「利確していないから税金はまだ関係ない」と思い込んでいたといいます。ところが年明けに損益計算ツールへ取引所のCSVを取り込んでみたところ、交換のたびに時価で利益が計算され、合計の雑所得が140万円を超えていることが判明しました。手元にはコインしかなく、現金はほとんど残っていない状態だったため、納税資金をどう工面するかで数日頭を抱えたそうです。最終的には保有コインの一部を売却して納税資金に充て、税務署の窓口で分割納付(延納)についても相談したといいます。「円に替えていないから税金はかからない、というのは完全な思い込みだった」と振り返っていました。


4. FXの特権:損失が出た年でも確定申告すれば翌年以降3年間税金が軽くなる

FXで年間トータルがマイナス(損失)になった場合でも、確定申告(損失申告)を行っておくことで、翌年以降3年間にわたって利益と相殺できる繰越控除が使えます。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例」では、次のように説明されています。
『「先物取引に係る雑所得等」の金額の計算上生じた損失の金額は、一定の要件の下で、翌年以後3年間にわたり繰り越し、その繰り越された年の「先物取引に係る雑所得等」の金額を限度として、一定の方法により、「先物取引に係る雑所得等」の金額の計算上差し引くことができます。』
出典:国税庁「No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1522.htm
【FXの3年間損失繰越の実例】
・1年目:FXで「▲100万円の赤字」-> 確定申告しておく
・2年目:FXで「+80万円の利益」-> 前年の赤字と相殺して「今年の税金は0円」(残り赤字20万円は繰越)
・3年目:FXで「+50万円の利益」-> 残り赤字20万円と相殺して「30万円分だけに課税」

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赤字の年に確定申告しておくだけで、翌年以降の税金を数十万円単位で節約できます。

なお、この繰越控除を受け続けるには、赤字の年だけでなく、その後の年も連続して確定申告書に「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」等の付表を添付して提出し続ける必要があります(国税庁「No.1523 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除」)。一度でも提出を忘れると繰越が途切れてしまうため、赤字が出た年こそ「利益が出ていないから申告しない」ではなく、あえて申告する意識が重要です。

【現場のリアル】赤字の年にあえて確定申告して助かった話

個人事業の傍らFXを続けている方から聞いた話です。ある年、相場が大きく荒れて年間トータルで120万円ほどの損失を出してしまいました。「利益が出ていないんだから申告する意味はないだろう」と最初は放置しかけていたそうですが、たまたま確定申告の相談会場で担当者から「損失が出た年こそ申告しておくと、来年以降が楽になりますよ」と声をかけられ、半信半疑のまま損失申告書を提出しました。翌年、相場が戻って90万円の利益が出た際、前年の繰越損失120万円のうち90万円分と相殺され、その年のFXに関する税金は結果としてゼロになったといいます。「あのとき面倒くさがって申告しなかったら、90万円まるごとに20%以上の税金がかかっていたはず」と、繰越控除のありがたみを実感したそうです。


5. 年間取引報告書の取得方法と損益計算ツールの使い方

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確定申告の準備で最初につまずきやすいのが、「そもそも自分の年間損益がいくらなのか分からない」という点です。

暗号資産の取引所(bitFlyer、Coincheck、GMOコインなど)では、多くの場合ログイン後のマイページやアカウント設定の中に「取引履歴」や「各種書類」といったメニューがあり、そこから年間の取引明細(CSVファイル)や年間取引報告書をダウンロードできる導線が用意されています。取引所によって名称や場所は多少異なるため、見当たらない場合はヘルプページやサポート窓口で「年間取引報告書の取得方法」を確認するのが確実です。複数の取引所を使っている場合は、取引所ごとに個別にダウンロードする必要があります。

FX会社(GMOクリック証券、DMM FXなど)についても同様に、マイページ内に年間の損益報告書や取引報告書をダウンロードできるページが用意されているのが一般的です。

暗号資産は取引ごとにその時点の時価で損益を計算する必要があり、特に複数の取引所を使い分けている場合やアルトコイン同士の交換を繰り返している場合は、手計算では現実的にミスが避けられません。ここで役立つのが、CryptactやGtaxのような暗号資産専用の損益計算サービスです。

使い方の大まかな流れは共通しています。まずツールに無料または有料のアカウントを作成し、各取引所の取引履歴CSVをアップロードするか、参照専用のAPIキーを発行して連携させます。次に、複数の取引所の取引をまとめて時系列に並べ、移動平均法または総平均法のどちらかを選んで年間の損益を自動計算させます。最後に、計算結果を確定申告書等作成コーナーの入力画面に転記するか、ツールが出力する計算書をそのまま添付資料として使います。取引所を乗り換えた履歴や、すでに引き出してしまった古い取引所のデータも漏れなく取り込むことが、正確な損益計算の一番のポイントです。


6. 会社バレを防ぐ「確定申告の普通徴収設定」

仮想通貨やFXの確定申告書を作成する際、住民税の納付方法の欄で「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れます。

これにより、投資分の住民税の納付書が自宅へ直接郵送されるようになり、本業の給与から天引きされる住民税額に投資利益分が上乗せされることを避けられます。結果として、給与担当者が住民税額の変動から投資利益に気づく可能性を下げられます。

ただし、自治体によっては普通徴収の指定が徹底されず、給与分と合算されて特別徴収(給与天引き)に回ってしまうケースも報告されています。心配な場合は、確定申告書を提出したあとに自治体の住民税担当窓口へ電話などで「給与所得以外の分は普通徴収になっているか」を確認しておくと安心です。


7. 海外取引所の利益や無申告のリスクについて

海外の暗号資産取引所(BybitやBinance等)を使っている場合でも、日本の居住者である以上、そこで得た利益は日本の所得税の課税対象になります。国税庁は非居住者等の暗号資産取引情報を各国税務当局と自動的に交換する国際的な報告制度の整備を進めており、国内の銀行口座への送金履歴なども税務調査の端緒になり得ます。海外取引所だから見つからない、という考え方には根拠がありません。

無申告のまま放置すると、通常の無申告加算税に代えて重加算税(意図的な隠蔽と判断された場合はおおむね40%、繰り返しの場合はさらに重くなる可能性があります)や延滞税が課されることがあります。利益が出ている実感があるなら、まずは損益計算ツールで実際の金額を確認し、必要であれば正しく申告しておくのが結局いちばん負担が少ない選択です。

【現場のリアル】税務署から「お尋ね」が届いて顔が青ざめた話

数年前に一度だけ大きな利益を出して以来、暗号資産の取引からは離れていたという方の話です。ある日、自宅のポストに国税庁の封筒が届き、開けてみると「暗号資産の取引に関するお尋ね」という書類が入っていました。差出人が税務署だと分かった瞬間、頭の中が真っ白になり、「何か重大な違反をしてしまったのでは」と一晩眠れなかったそうです。翌日、記載されていた税務署の電話番号に思い切って連絡してみると、担当者からは「お尋ねは違反を確定させる書類ではなく、取引所からの情報をもとに申告状況を確認させていただいているものです」と説明を受け、当時の取引履歴を提示して申告済みであることを伝えたところ、特に問題なく手続きは終わったといいます。「怖くて放置していたら、逆に状況が悪くなっていたと思う」と、封筒が届いたらまず中身を確認して落ち着いて対応することの大切さを話していました。


8. よくある質問

Q1. 暗号資産の利益が年間18万円でした。確定申告は必要ですか。

所得税の確定申告は不要ですが、市区町村への住民税申告は別途必要です。給与所得者の20万円基準は所得税に関する特例であり、住民税には適用されないため、お住まいの役所の税務課へ住民税申告書を提出してください。

Q2. FXの利益と暗号資産の利益、どちらを先に計算すればいいですか。

所得区分が異なるため計算方法自体は別々に行いますが、確定申告書には両方をそれぞれの欄(暗号資産は雑所得、FXは先物取引に係る雑所得等)に記入します。年末までに両方の取引所・FX会社から年間の損益データを揃えておき、余裕を持って2月から作業を始めるとミスが減ります。

Q3. 会社に副業禁止規定がある場合、暗号資産やFXの利益も問題になりますか。

会社の就業規則にいう副業禁止は多くの場合「他社での就労」や「事業活動」を対象にしたものであり、資産運用としての暗号資産やFXの取引まで一律に禁止しているとは限りません。ただし会社ごとに規定内容は異なるため、心配な場合は就業規則の文言そのものを確認するか、人事・総務へ匿名の一般論として相談してみるのが確実です。


9. 暗号資産の利益別・手取りと納税額の目安(本業年収600万円のケース)

本業年収600万円のサラリーマンが、ビットコインで利益を出した場合のおおよその納税額です。実際の税額は所得控除の状況によって変わるため、あくまで目安として見てください。

暗号資産の年間利益適用される実効税率の目安所得税+住民税の納税額の目安手元に残る純手取り利益の目安
+50万円約20%約100,000円約400,000円
+200万円約30%約600,000円約1,400,000円
+500万円約33%約1,650,000円約3,350,000円
+1,000万円約43%約4,300,000円約5,700,000円
+5,000万円約55%約27,500,000円約22,500,000円

まとめ:暗号資産・FXは年末調整に書かず、確定申告で正しく精算する

会社の年末調整には暗号資産やFXの利益を一切書きません。FXは一律20.315%の申告分離課税で、赤字の年にあえて確定申告しておけば3年間の損失繰越が使えます。仮想通貨は総合課税の雑所得で、日本円に換金していなくても他のコインへ交換した時点で課税対象になります。利益が年20万円を超えるなら、年明けにスマホe-Taxで確定申告し、住民税は普通徴収を選んでおきます。

取引所の年間取引報告書を早めに取得し、CryptactやGtaxのような損益計算ツールで正確な金額を把握しておけば、2月から3月にかけての確定申告作業は落ち着いて進められます。

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