「60歳で定年を迎えて同じ会社に再雇用されたけれど、給料が半分近くになった。年末調整の書類はどう書けばいいのか」
「ハローワークから振り込まれる『高年齢雇用継続基本給付金』は、年末調整の年収欄に足すのか足さないのか」
「退職金をもらったばかりなのに、年末調整の書類にまた収入を書かされるのは二重に取られている気がする」
60歳や65歳で定年を迎え、同じ会社に嘱託社員や契約社員として再雇用される、いわゆる定年再雇用を選ぶ人は今のシニア層で圧倒的多数を占めています。再雇用になると基本給や役職手当が見直され、現役時代と比べて給料が3割から5割ほど下がるケースが一般的で、そこに税金の計算、社会保険の切り替え、雇用保険から支給される給付金という複数の制度が同時に絡み合ってくるため、毎年11月から12月にかけて総務の窓口には同じような質問が集中します。
この記事では、定年再雇用後も会社の年末調整をそのまま受けられること、高年齢雇用継続給付が非課税所得として扱われる法的な根拠、定年退職金が年末調整とは別枠で処理される仕組み、再雇用1年目に税金がまとまって戻ってくることが多い理由、そして年収が下がったことで配偶者控除が復活するケースまで、国税庁とハローワークインターネットサービスの公式情報にもとづいて整理しました。
1. 定年再雇用シニアの税務・給与、4つの基本ルール

定年退職後に再雇用された場合、税金と給与の扱いは次の4点に整理できます。
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 会社の年末調整 | 再雇用後の給料をもとに、これまでどおり会社で実施される |
| 高年齢雇用継続給付 | 所得税・住民税ともに非課税。年末調整の書類には金額を書かない |
| 定年退職金 | 年末調整とは切り離された「退職所得」として、退職時に課税が完結している |
| 再雇用1年目の税額 | 定年前(高給)と再雇用後(減給)の落差により、12月の年末調整で還付が出やすい |
このうち特に間違えやすいのが、給付金を年末調整の収入欄に書いてしまうことと、退職金をもう一度年末調整の対象に含めてしまうことです。以下、それぞれの根拠を一つずつ確認していきます。
2. 高年齢雇用継続給付は非課税所得、雇用保険法第12条が根拠
高年齢雇用継続給付は、60歳以降の賃金が60歳到達時と比べて大きく下がった従業員に対して、雇用保険の被保険者期間や賃金の低下率という要件を満たした場合にハローワークから支給される給付金です。この給付金には所得税も住民税もかからず、年末調整の書類に金額を記入する必要もありません。
支給要件と支給率(ハローワークインターネットサービスの公式情報)
【ハローワークインターネットサービスの公式見解・1次情報】
ハローワークインターネットサービス「高年齢雇用継続給付」では、支給要件について次のように説明されています。
『雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、原則として60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給される』
出典:ハローワークインターネットサービス「高年齢雇用継続給付」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_continue.html
支給率は令和7年4月の制度改正で変わりました。改正前後で対象になる人が分かれるため、自分がどちらの基準にあたるかをまず確認する必要があります。
| 60歳到達日 | 賃金の低下率 | 支給率 |
|---|---|---|
| 令和7年3月31日以前に60歳到達 | 60歳到達時の61%以下に低下 | 各月の賃金の15%相当額 |
| 令和7年3月31日以前に60歳到達 | 61%超75%未満に低下 | 低下率に応じて15%相当額未満 |
| 令和7年4月1日以降に60歳到達 | 60歳到達時の64%以下に低下 | 各月の賃金の10%相当額 |
| 令和7年4月1日以降に60歳到達 | 64%超75%未満に低下 | 低下率に応じて10%相当額未満 |
(出典:ハローワークインターネットサービス「高年齢雇用継続給付」)
給付には上限もあります。ハローワークインターネットサービスは『各月の賃金が397,369円を超える場合は支給されません』としており、この賃金月額の上限や下限、支給限度額は毎年8月1日に見直されるため、実際に申請する年度の最新の金額を確認しておく必要があります。支給対象期間は『60歳に達した月から65歳に達する月までです』と案内されています。
非課税の法的根拠(雇用保険法第12条)
高年齢雇用継続給付は、雇用保険法上「雇用継続給付」に分類され、失業等給付の一種として位置づけられています。失業等給付が非課税とされる根拠は、雇用保険法第12条にあります。
【e-Gov法令検索の公式見解・1次情報】
雇用保険法(昭和49年法律第116号)第12条では、次のように定められています。
『租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。』
出典:雇用保険法第12条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
つまり、給付金そのものに税金をかけることが法律で明確に禁止されているため、年末調整の「給与所得者の基礎控除申告書」や扶養控除等申告書に記入する年収には、会社から支払われた基本給・賞与など給与所得にあたる金額だけを反映させれば足り、ハローワークから振り込まれた給付金は一切含めません。
#### 【現場のリアル】初めての支給申請書を前に固まった話
60歳の誕生月を迎えて再雇用されたばかりのある男性は、総務から「高年齢雇用継続給付の申請をするので、この書類に記入してください」と渡された用紙を見て、しばらく手が止まったと話していました。60歳到達時賃金月額証明書、雇用保険被保険者六十歳到達時等賃金証明書といった聞き慣れない名称が並び、どの欄に何を書けばよいのか見当がつかなかったそうです。結局、総務担当者に「ここは会社側で記入するので空欄のままで大丈夫です」と言われた欄が半分以上あり、自分が書くのは氏名や振込先口座などごく一部だけだったと分かって拍子抜けしたといいます。本人は「申請そのものは基本的に会社がハローワークとやり取りしてくれる、自分でやることは思ったよりずっと少なかった」と振り返っていました。
3. 再雇用後も会社の年末調整はこれまでどおり実施される

定年を迎えて雇用形態が正社員から嘱託社員や契約社員に変わっても、雇用契約が継続している以上、年末調整の対象者から外れるわけではありません。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.2665 年末調整の対象となる人」では、年末調整の対象者について次のように説明されています。
『会社などに1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職し年末まで勤務している人』
出典:国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm
同ページでは、年の途中で退職して年末まで在職していない人や、1年間の給与総額が2,000万円を超える人などが対象から除かれる例外として挙げられていますが、定年退職後に同じ会社で再雇用されて年末まで勤務している人はこの例外にあたらず、通常どおり年末調整の対象になります。前提として「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を年末調整までに会社へ提出している必要がある点も、現役時代と変わりません。
なお、年末調整の対象となるのはあくまで給与所得です。定年退職金は次章で述べるとおり別枠の退職所得として処理済みのため、年末調整の給与収入欄には含めません。
#### 【現場のリアル】再雇用初日の給与明細で言葉を失った話
3月末に定年退職し、4月から嘱託社員として同じ職場に再雇用されたある方は、再雇用後最初の給与明細を開いた瞬間のことをよく覚えていると話していました。役職手当がなくなり、基本給の号俸も再設定された結果、手取りが定年前のおよそ半分になっていたそうです。頭では分かっていたつもりでも、実際に数字として目の前に出てくると、しばらく明細を眺めたまま何も言えなかったといいます。同僚に聞くと、周囲でも似たような落差を経験している人が多く、「給料は下がっても仕事の中身はほとんど変わらない」という声もよく聞かれたそうです。本人は「下がる幅を頭では理解していたが、明細を見た瞬間の実感はまったく別物だった」と話していました。この給料の落差が、後述する年末調整の還付金につながっていきます。
4. 定年退職金は年末調整と別枠、国税庁No.1420が示す退職所得の仕組み
定年退職時に受け取る退職金は、給与所得とはまったく別の「退職所得」という区分で課税され、退職時点で税額計算が完結しています。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」の根拠法令には、所得税法30条、31条、120条から122条、199条、201条から203条などが挙げられています。
出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
退職所得は、退職金の額から勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引いた金額の、さらに2分の1が課税対象になるという優遇された計算方法が取られています。退職所得控除額の計算式は次のとおりです。
| 勤続年数 | 退職所得控除額の計算式 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合には80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数-20年) |
(出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」)
この優遇計算が適用されるためには、退職時に会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておく必要があります。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」では、申告書を提出した場合について次のように説明されています。
『退職金等の支払者が所得税額および復興特別所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、退職所得の金額に応じた所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません』
一方、申告書を提出していない場合については、次のように説明されています。
『退職金等の支払金額の20.42パーセントの所得税額および復興特別所得税額が源泉徴収されますが、受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額および復興特別所得税額の精算をします』
出典:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
申告書を提出していれば、退職金の支払い時点で適正な税額が源泉徴収されて課税は完結しているため、年末調整の書類に退職金の金額を記入する必要はありません。逆に申告書を出し忘れていると一律20.42%が源泉徴収されたままになり、納めすぎになっているケースが多いため、翌年に確定申告をして精算する必要が出てきます。
#### 【現場のリアル】退職所得の受給申告書を出したかどうか記憶があいまいだった話
定年退職の手続きが慌ただしく進む中、ある方は人事から渡された何枚もの書類の中に「退職所得の受給に関する申告書」が含まれていたかどうか、後になって記憶があいまいになってしまったと話していました。退職金の振込額を見て、思っていたより手取りが少ない気がして総務に確認したところ、「申告書はきちんと提出済みで、退職所得控除を適用したうえでの適正な源泉徴収額です」と説明を受け、ひとまず安心したそうです。ただし担当者からは「もし申告書を出していなかった場合は一律20.42%が引かれたままになるので、退職金の源泉徴収票を見て、天引きされた税額の割合がおかしいと感じたら確定申告で精算できる」とも教えられたといいます。本人は「退職の慌ただしさの中で何にサインしたか忘れがちなので、退職金の源泉徴収票は必ず保管して、天引きされた税額を自分でも確認しておくべきだった」と振り返っていました。
5. 再雇用1年目の年末調整で税金がまとまって戻ってくる理由

年の途中で定年を迎えて再雇用された場合、定年前の高い給料をもとに天引きされていた所得税と、再雇用後の低い給料をもとに天引きされていた所得税を合算して、12月の年末調整で年間の正しい税額に再計算されます。定年前の給料水準で毎月天引きされていた所得税は、年間を通じた実際の所得水準からすると払いすぎの状態になっていることが多く、その差額が12月の給与でまとめて還付されるという仕組みです。
還付の仕組みをモデルケースで確認する
3月末に定年退職し、4月から再雇用されたケースを例に、還付が生じる流れを示します。
| 期間 | 給与の状況 | 天引きされていた所得税(目安) |
|---|---|---|
| 1月〜3月(定年前) | 月給60万円 × 3ヶ月=180万円 | 約12万円 |
| 4月〜12月(再雇用後) | 月給25万円 × 9ヶ月=225万円 | 約4万円 |
| 年間給与総額 | 405万円(高年齢雇用継続給付は非課税のため合算しない) | 天引き合計 約16万円 |
年間給与総額405万円に対する本来の年税額が、各種控除を適用した結果として仮に8万5千円程度になるとすれば、すでに天引きされていた16万円との差額、およそ7万5千円が12月の給与日に還付される計算になります。実際の還付額は扶養親族の人数や社会保険料控除、生命保険料控除などによって一人ひとり変わるため、あくまで仕組みを理解するための一例として捉えてください。
#### 【現場のリアル】12月の給与明細に「還付」の文字を見つけて二度見した話
再雇用1年目の12月、ある方は給与明細のいつもと違う欄に「年末調整還付」という文字と、6万円を超える金額が印字されているのを見て、最初は入力ミスではないかと疑ったと話していました。定年前の高い給料から天引きされていた所得税と、再雇用後の低い給料の差が年末調整で精算された結果だと総務から説明を受け、「税金を取られる話ばかり聞かされてきたので、まとまった額が戻ってくるという発想がそもそもなかった」と驚いていたそうです。本人は「再雇用で給料が下がったことばかり気にしていたが、年末調整の還付という形で一部が戻ってくることを知っていれば、4月からの数ヶ月をもう少し落ち着いて過ごせた」と話していました。この還付は毎年起きるものではなく、給料が大きく変動した年に一時的に生じるものだという点も、あわせて押さえておくとよい実務です。
6. 配偶者控除が復活するケース、国税庁No.1191の要件を確認する
現役時代は本人の年収が高く配偶者控除の対象外だった人でも、再雇用によって年収が下がった結果、控除が使えるようになるケースがあります。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1191 配偶者控除」では、控除の要件について次のように説明されています。
『納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません』
また配偶者側の要件として、『年間の合計所得金額が58万円以下』であることが挙げられています(給与収入のみの場合は、給与収入123万円以下が目安)。
出典:国税庁「No.1191 配偶者控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm
本人の合計所得金額1,000万円というのは、給与収入だけで判定する場合、給与所得控除を差し引いたあとの金額が基準になるため、年収に換算するとおおむね1,195万円が境目になります。定年前に役職給与でこのラインを超えていた人でも、再雇用後の年収がこの水準まで下がれば、配偶者控除の対象に入ってくることになります。
控除額は本人の合計所得金額の段階に応じて次のように変わります。
| 本人の合計所得金額 | 一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者(70歳以上) |
|---|---|---|
| 900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
| 900万円超950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
| 950万円超1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
(出典:国税庁「No.1191 配偶者控除」)
配偶者の合計所得金額が58万円を超えても133万円以下であれば、控除額は段階的に縮小しながらも「配偶者特別控除」として控除を受けられます。
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1195 配偶者特別控除」では、配偶者側の所得要件について次のように説明されています。
令和7年分以降、配偶者の『年間の合計所得金額が58万円超133万円以下』であることが要件とされています。
出典:国税庁「No.1195 配偶者特別控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm
配偶者控除・配偶者特別控除のいずれも、判定の基準は「その年12月31日の現況」です。年の途中で再雇用による年収ダウンがあった場合でも、その年の年末時点の状況で判定されるため、年末調整の申告書には最新の見込み年収を記入する必要があります。会社から配られる「給与所得者の配偶者控除等申告書」に妻や夫の氏名、生年月日、その年の所得の見積額を正確に記入することで、控除が適用されます。
#### 【現場のリアル】配偶者控除の欄を白紙で出しそうになった話
現役時代は年収の関係で配偶者控除の書類をずっと空欄のまま出してきたというある方は、再雇用1年目の年末調整でも、いつもの習慣でその欄を素通りしそうになったと話していました。たまたま経理担当者から「今年は年収が下がっているので、奥様の所得によっては配偶者控除の対象に入るかもしれません」と声をかけられ、慌てて妻のパート収入を確認したところ、要件を満たしていることが分かったそうです。前年までの書き方をそのまま踏襲していたら、本来受けられるはずの控除を自分から取りこぼすところだったと振り返っていました。本人は「年収が下がった年こそ、これまで関係ないと思って読み飛ばしていた欄を見直す価値がある」と話していました。
7. 高年齢雇用継続給付の申請の流れと振込のタイミング
高年齢雇用継続給付は、多くの場合、本人ではなく会社(事業主)がハローワークへの申請手続きを代行します。
【ハローワークインターネットサービスの公式見解・1次情報】
ハローワークインターネットサービス「高年齢雇用継続給付」の申請手続きでは、申請者について『事業主』と案内されており、最初の申請は『最初に支給を受けようとする支給対象月の初日から起算して4か月以内』に行うこととされています。
出典:ハローワークインターネットサービス「高年齢雇用継続給付」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_continue.html
初回の申請が完了すると、以降は2ヶ月に1回、指定された支給申請月ごとにまとめて振り込まれるのが一般的な運用です。会社側の担当者が手続きを行ってくれるケースがほとんどですが、再雇用から数ヶ月経っても給付金の振込が確認できない場合は、自己判断で「まだ来ていないだけ」と放置せず、総務や人事に申請状況を確認しておくと安心です。
8. よくある質問
Q1. 定年時に受け取った退職金は、年末調整の書類に書きますか。
書く必要はありません。退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、退職金は退職所得として単独で課税が完結しているため、年末調整の申告書には会社から支払われた給与のみを記入します。退職金の源泉徴収票は、年末調整とは別に大切に保管しておいてください。
Q2. 60歳以降に受給し始めた公的年金(特別支給の老齢厚生年金など)は、年末調整に書きますか。
年末調整には含められません。公的年金は雑所得として扱われ、会社の年末調整では合算できないため、給与と年金の両方がある人で税金の精算が必要な場合は、年が明けてから税務署へ確定申告を行うことになります。
Q3. 高年齢雇用継続給付を受け取っていることは、確定申告が必要になりますか。
給付金そのものは雇用保険法第12条により非課税所得のため、確定申告の対象にはなりません。ただし、給与以外に不動産所得や副業の所得がある、あるいは公的年金と給与の両方を受け取っているなど、他の理由で確定申告が必要になるケースは別途あります。
Q4. 再雇用後の年収が下がったのに、配偶者控除の申告書にどう書けばいいか分かりません。
会社から配られる「給与所得者の配偶者控除等申告書」に、本人と配偶者それぞれのその年の所得の見積額を記入します。配偶者がパート収入のみであれば、年間の給与収入見込みを確認したうえで記入すれば、給与担当者側で控除額を判定してくれます。記入方法に迷う場合は、総務や経理に直接確認するのが確実です。
まとめ、定年再雇用の税務は「非課税」「別枠」「復活」の3点を押さえておく
定年再雇用後も、給与の支払いが続いている以上は会社の年末調整をこれまでどおり受けられます。ハローワークから支給される高年齢雇用継続給付は、雇用保険法第12条により失業等給付として非課税とされているため、年末調整の書類には金額を書きません。定年退職金は退職所得として退職時に課税が完結しており、年末調整とは別枠の扱いです。そして定年前後の給料の落差により、再雇用1年目の年末調整では税金がまとまって還付されることが多く、年収が下がったことで配偶者控除や配偶者特別控除の対象に入ってくることもあります。
年末調整の書類を毎年同じように機械的に埋めるのではなく、定年を境に何が変わり、何が変わらないのかを一つずつ確認しておくことが、再雇用後の手取りを正しく守ることにつながります。